悪女でなにが悪いの

悪女　31 ページ35

玲於side


HIROさんが昔話をし始めた


聞いてる限りその女の子は辛い思いをしてきたんだと思う


あ「やめて!!」


Aがいきなり叫んだ


そんな事はお構いなしに話し続けるHIROさん


HR「毎日の様に続く暴力。なんで自分がこんなに殴られなきゃいけないのかも分からず女の子はそれに耐えていた」


あ「ねえ!!やめてよ!!」


泣きながら叫ぶA


萩「Aさん？」


亜「何やってんだよ!」


HR「でもそんな中女の子にも希望が出来たんだ。離婚した男…つまりその女の子の父親がその子の母親とまた関係を持ち始めたんだ。そして２人の間に命が宿った」


あ「分かったから!!」



HR「妹が生まれたんだ。でもその妹は体が弱くて父親はなんでろくな子を産めないんだと母親を責めた。二人はまた破局。さらに女の子に対する暴力が増えた。」


あ「お願い!!やめて!!」


HR「女の子は母親にずっと言われ続けた「なんで生まれたの？お前は人を不幸にする。生きてる価値はない」って。母親はついに妹までも手を上げようとした。でもそれを必死に止めようとしたんだ。小さな体で。誰も助けてくれないなか妹だけは守ろうとしたんだ。その後２人は施設に入れられた。捨てられたんだ。…女の子はよく歌を歌っていて妹に「お姉さんの歌が好きだから皆にも聴いてほしい」って言われて数年後歌手デビューした。でもその妹も最近亡くなってしまった」



あ「HIROさん!!分かったから!!私が話すから!!(泣)」



泣きながら叫ぶA


そこで止まったHIROさん


HR「…そうか。」


あ「…なんで？なんでお前がそんなこと知ってんだよ!!!」


TK「お前!!HIROさんに向かって…」


HR「いいよTAKAHIRO。…その話は後でする。」


あ「答えてよ!!」


HR「話す気があるのか？ないのか？」


あ「答えになってない!!」


AT「ひ、HIROさん…」


HR「今アイツが乗り越えなきゃいけないんだ…いつか話さなければならなかったことが今になっただけだ」


あ「っ…」


下を向いて髪の毛で顔が見れないからわからないけど涙が机に落ちていく



あ「…水城をはずして」


HR「…いいのか？」


夕「え…」


あ「いいから。…そしたら話す…」


パッと顔を上げたAの目には涙が溜まっていた

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