――L i e°.*о'9 ページ9
「ふぅ…」
家にいるとなんとなく息が詰まりそうだった。
「いやーこの解放された感じ。」
せっかく解放されたから、ちょっぴりハメを外したくなった。
「……―――行って、みようかな…」
そう呟いて、立ち止まったのは、
例の店の前。
*
イメージしていた内装とは違って、
テレビで見るホストクラブのような内装ともまた違って、まるでどこかのお屋敷のような。
「わぁっ…」
きらびやかなシャンデリア、足元には真っ白な床。
すると、
「――あれ、霧沢さん?」
「は、はいぃっ」
不意に声をかけられ声が裏返った。そしてなぜか返事をしてしまった。
「霧沢さんだよね?どうしたの?」
後ろを振り返るといつもの制服とはだいぶ雰囲気が違う普段着を身にまとった天宮くんだった。
「あっ、いや、その…」
「?」
どうやって弁解するべきだろうか。
いつの間にかなかにいた?いやいや無理やりすぎるだろ。
えぇっじゃあどうすれば…
そこまで悩んで私は、考えるのをやめた。
「……興味があったので、来ました…」
素直にそう言うと、天宮くんは嬉しそうに笑いながら、
「いらっしゃいませ!!」
そう言った。
*
「…そんなに緊張しなくていいのに…」
「いや、だって…なんか、不安……」
入店して早10分。飲み物を出してもらい、5分ほど天宮くんに近くにいてもらった。
財布を持ってきていてよかったと思い、ぎこちない動きでコップを手に持つ。
「俺が隣にいても不安になる?」
なんて、フィクションのようなセリフを軽々と口にする天宮くん。
…なんか、悔しい。
同い年なのにこんな店でしかもそんな余裕を持って接客する彼を見て、不覚にも悔しいと思った。
…こうなったら…
「ごめんなさいやっぱり帰ります!!」
と言って、財布を取り出した。
さすがに何もしないで客を帰すわけにもいかないだろう、店員として。
「ちょっと待って帰らないで」と私を引き止めるがいい。フハハハ←
とかなんとか、奥底のねじ曲がった思考が表に出てそんな事を思う私に天宮くんは、
「―――あぁ、じゃあまたのご来店を、お待ちしています。」
「へっ?」
と、これまた余裕の返事。
それでいてニコニコと笑っているものだから悔しい。
「…やっぱりまだいます。」
というと、「ふふっ…」と笑い、
「ありがとう。」
と口にした。
うまく乗せられた気がした。
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あづにゃん(プロフ) - 那桜さん» いえいえいえ!!これからも頑張ってください><* (2014年10月24日 22時) (レス) id: 97173182ec (このIDを非表示/違反報告)
那桜(プロフ) - あづにゃんさん» 天才のての字も文才のぶの字もないのですがありがとうございます!!! (2014年10月18日 17時) (レス) id: e2d1d8958e (このIDを非表示/違反報告)
あづにゃん(プロフ) - 那桜さん» 天才ですね!!こんな文才があるなんて!!もうホント羨ましいです><´* (2014年10月18日 11時) (レス) id: 97173182ec (このIDを非表示/違反報告)
那桜(プロフ) - あづにゃんさん» ありがとうございます!! (2014年10月17日 17時) (レス) id: e2d1d8958e (このIDを非表示/違反報告)
あづにゃん(プロフ) - 夢主ちゃんめっちゃ可愛い((>ω<´* (2014年10月13日 8時) (レス) id: 97173182ec (このIDを非表示/違反報告)
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