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「騒ぐな、今川」
─竹中重治。
黒田官兵衛とともに、豊臣秀吉に仕えた名軍師である。
「てめえは黙ってられんのか！？」
あまりの今川くんの剣幕に体を起こすと、肩から何かがずり落ちた。
拾ってみると、信長のマントだった。
いつの間にかけてくれたんだろう。
『信長。これ、ありがとう』
「体調が悪いのか」
『ううん、そんなんじゃないよ』
穏やかな信長とは正反対に、教室の空気はどんどん悪くなっていく。
みんな、些細なことでも気に障って、誰かにぶつけたくなっているのかもしれない。
今は、こんな内輪で揉めている場合じゃないのに。
それとも、クラスメイトの分裂まで徳川くんの想定だった？
とにかく、ギスギスしているみんなが少し怖かった。
「うつけども！！！」
突然信長が大声を出した。
びっくりして私まで肩が跳ねてしまった。
教室が信長の勢いに押されて静かになる。
「安心しろ、俺が天下を獲る」
「信長、しっかり突っ込ませてもらうで？…もうええわー！！！！」
逆効果だったらしい。
秀吉くんはさらに怒ってしまった。
「信長くん、どうやって天下を、どうやって家康くんをお止めになるおつもりですか？」
とうとうみやちゃんまでが「天下を獲る」しか言わない信長に痺れを切らしたらしい。
みんなもそれに乗っかる。
「そうだよ！」
「お前は具体例がねえんだよ！」
息を吸った信長が立ち上がった。
「和の心を持って、天下を獲る！」
ずっこけるみんな。
「だから！」
「ぽいこと言ってるだけじゃねえか！」
「和の心って、何でしょうか？」
「和の心……何だと思う？」
『はぁ…』
みやちゃんに聞き返した信長。
これには思わず私もため息。
そこまでは見えてなかったんかい。
みんな怒って爆発しちゃうよ。
「もう、喋んな！」
「馬鹿ばっかじゃねえかよ！」
「解散だ！」
「落ち着け！」
思わぬ助け舟が入った。
みんなを諌めたのはずっと黙っていた上杉くんだった。
「てめえ、ライバルの武田がボコられて、ビビって動けねえだけじゃねえか」
「なんだと？」
井伊くんの挑発に、さすがの上杉くんもフードを取って立ち上がった。
「図星抉られたか？」
「馬鹿はよく騒ぐな…」
一足触発の空気。
二人とも手が出そうになって、ぎゅっと目を瞑った。
が、空を切るような音しかしなくてすぐに目を開ける。
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
