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《先程徳川家康くんが、2年の十川八郎くんを倒しました。そして家康くんは、新たに旗印を提出しました》
「連続で旗印!?」
《旗印の内容は》
《誰かを倒す!》
「同じ?」
「嘘やろー!?あぁ!!!」
「「「「うるせぇ!」」」」
「ごめん…」
驚き怯える龍造寺くんの声に、こちらもびっくりする。
案の定、井伊くんたちに怒られていた。
「それにしても、いつまで続くんだこんなことが…」
上杉くんの言葉に、信長は徳川くんの旗を見上げながら干し柿を齧った。
きっと徳川くんは、特進の生徒は襲わないつもりなのだろう。
他のクラスの生徒を酷いやり方で襲って、信長や私、特進の生徒を怖がらせて楽しんでいるように思える。
なんとかこの状況を打破したいのに、力で勝てないこともわかっていて、悔しかった。
─────────────────────────
移動教室のとき、みやちゃんとトレーニング室の前を通ると、後ろに誰かの気配がした。
振り向くが、もう行ってしまった後だった。
代わりに、中から明智くんと徳川くんが出てくる。
『…行こ』
今はまだ、徳川くんの顔をまともに見られない。
みやちゃんの手を引いて二人に背を向けた。
「今のはいったい、誰だったんでしょう」
『私も見えなかった。明智くんの他にも、徳川くんに付いた人がいるってことだよね…』
次の授業がある大教室につく。
扉を引くといつもより重い気がして中々開かなかった。
みやちゃんにも手伝ってもらって扉を開ける。
「キャー!?!?!?」
中から、十川くんと同じ糸で縛られた生徒が転がって来た。
徳川くんの旗も体に巻かれている。
「私、理事長に一言文句を言って来ます!」
『え?ちょっと!』
十川くんで少し耐性がついたらしいみやちゃんは、すぐに立ち直ると理事長室まで大股で向かっていった。
怖いから今一人にしないで…!
時すでに遅し。
みやちゃんに取り残された私は、渋々保健室まで助けを求めに行った。
その後彼がどうなったかはわからないけど、また様子を見に戻る気力もなくて、そのまま教室に帰って机に突っ伏した。
しばらく眠ってしまったらしい。
何かを蹴るような物音がして目が覚めた。
「家康の野郎、やりたい放題かよ!」
今川くんが徳川くんに怒っているらしい。
─今川義元。
海道一の弓取りと称された、東海道の覇者。
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美優(プロフ) - A?さん» コメントありがとうございます!前田くんと絡めるように頑張ります! (2022年8月26日 10時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
A? - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております!秀吉ともっと絡ませてほしいです!!! (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます! (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆう | 作成日時:2022年8月10日 0時