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「うん、だから、どうやって獲んねん」
秀吉くんの言葉に、教室の後ろまで移動した信長が振り返る。
「…天下を獲る」
みんながお笑い番組よろしくずっこけた。
そうだよね。
みんなの気持ちもわかるけど、信長だってきっとまだどうするべきか固まっていないんだろう。
“和の心”って言ったって、ただ徳川くんと手を繋ぐだけじゃ何も生まれない。
「だから…！」
「あかんわ！こいつー！」
「信長くん…」
─────────────────────────
徳川くんが旗印を掲げてから、自分が襲われるのでは、とみんなが怯えながら過ごすようになった。
腹を括っているのか、竹中くんみたいに普段通りの生徒もいるけど。
『みやちゃん、私たち、襲われないように二人で行動しよう』
「それもそうですね」
信長側の私たちも、女と言えど、襲われないとは限らない。
移動教室など、教室を離れるときはしばらく一緒に行動することにした。
「おい、どけ！早く行くぞ！」
「ちょー、待ってくれよ！」
慌てた様子で私たちの前をジャージの生徒が走っていく。
「何かあったのでしょうか？」
『徳川くん、なのかな』
二人が出てきたのは空き教室。
そっとドアを開けると、机が円状に高く積まれており、その上に例の旗が立てられていた。
みやちゃんと手を繋いで、恐る恐る机に近づく。
少し回ったところで、半目を剥きながら血を垂らし、糸で机にくくりつけられた生徒が見つかった。
『…！！！』
「キャー！！！！」
腰を抜かしそうになったけど、みやちゃんの声に気を持ち直す。
『わ、私、誰か、誰か呼んでくる、』
廊下に出ると、みやちゃんの声が聞こえたのか何人かの生徒が集まって来ていた。
特進の生徒もいる。
「蝶野？」
『中で人が…！』
上杉くんが声をかけてくれたので、慌てて教室を指差した。
「A！」
『信長！』
みんなが空き教室に入っていく中、後ろの方にいた信長がこちらに駆け寄って来てくれた。
「大丈夫か」
正直泣きそうなくらい怖かったけど、とりあえず頷いた。
信長は、まだ震えている私の手を握って、胸に頭を引き寄せてくれた。
信長の匂いと温もりに包まれて、少しずつ落ち着きを取り戻す。
『！、みやちゃんは』
中に入ると、さっきの生徒が運び出されるところだった。
みやちゃんは上杉くんの隣にいる。
「酷いことをする」
そのとき、チャイムが鳴った。
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
