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椅子に押しつけられて無理矢理座らされた。
無言で湿布や包帯を出していく信長がちょっと怖い。
『信長、あの、』
「何故あんな無茶をした？」
『だって、見てられなくて、』
「手負いの状態で？」
信長が正面に座って私の指を取った。
『忘れてたの！…っていうか、そもそもこの指は信長がびっくりさせるから』
包帯がシュルシュルと巻かれていく。
「それは、悪かった。まさかAが掃除に来るとは」
『起きてたの？』
うわぁ、もう、なんか色々恥ずかしい。
起きてたなら起きてますよアピールしてよ。
めっちゃ堂々と鼻歌、なんなら声出して歌ったわ。
仕上げにテープを貼ってくれた信長の視線から外れるように、棚から消毒液を取り出した。
「なんだ」
『なんだじゃないよ。その傷、ほったらかしでしょ』
ずっと気になっていた唇の傷。
ささやかな仕返しだと思って、消毒液を染み込ませたガーゼをいきなり押し当ててやった。
染みたのか思いっきり顔を顰めていたけど無視。
私だって色々怒ってるんだから。
「貴様、」
『これでおあいこね。お互いこれ以上は何も言わない。いい？』
「…ふっ」
大人しくなった信長を見て、机の上を片付ける。
「A」
『ん？』
棚に消毒液を戻していると後ろに気配を感じた。
振り向くやいなや、信長に両手で頬を挟み込まれる。
そのまま、かがみ込んで同じ目線になった。
「今日みたいな無茶は二度とするな。Aに暴力は似合わん。…ただ、側にいてくれるだけでいい」
『…わかった。もうしない。心配かけてごめんね？』
いつもと逆で、私が信長の頭をポンポンしてあげると、信長は耳を赤くして離れていった。
─────────────────────────
いつもの帰り道。
今日は珍しく、みやちゃんと黒田くんも一緒だった。
「私は言いたいことたくさんありますから！だいたい音楽ホールに居たならそう言ってくださればよかったんです。連絡の一つもないですし」
みやちゃんは、学校からずっとぷりぷり怒っている。
それもそうだ。
信長も黒田くんもいない中で、私とみやちゃんがどんな気持ちだったことか。
「さっき謝ったではないか」
「今朝お二人がいなくてどれだけ心細かったか。ねぇ、Aちゃん？」
『う、うん…』
さっき保健室で“これ以上は何も言わない”と約束したばかりに、みやちゃんに加勢したい気持ちは山々なんだけど、歯切れが悪くなってしまった。
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
