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が、上から降ってきたのは焦りを含んだ怒りの声だった。
「うつけが！下がってろと言ったはずだ！」
『…ごめんなさい』
「終わったら説教だな」
『そっちもね』
何でこういうときに素直になれないかな私。
心の中では信長が来てくれたおかげで心底安心して、なんならこのまま座り込んでしまいたいくらいなのに。
意地を張って信長の唇の傷に触れてやった。
信長は、そんな私の気持ちを見透かしたかのように笑うと、「行くぞ」と怪我していない方の手を引いた。
音楽ホールの前には、しゃがみ込む真田くんと壁にもたれた今川くん。
二人に集められた生徒は、信長たちの群勢の勢いに押されて逃げていったらしい。
《残り、15秒》
魔村さんの声を聞いた私たちは、ホールの扉を大きく開いた。
「走れ貴様ら！」
「勝ち役の皆さん！！」
《5、4、3、》
伊達くんや酒井くんたち、勝ち役の生徒が次々と走り込んでくる。
《2、1、》
最後に本多くんがホールに入ったのを見届けてから、信長が軽快に廊下とホールの境目を飛び越えた。
《…0。旗印を立てた五名、全員の勝利です！》
「「「よっしゃー！！」」」
「やったー！」
『やったね！』
嬉しくて飛び跳ねるみやちゃんとハイタッチ。
信長と伊達くんはクールに決めていたけど、二人とも嬉しそうな表情をしている。
井伊くんも、何やら疲れた様子の龍造寺くんと戻ってきた。
『信長、黒田くんは、』
その場で喜びを分かち合いたいもう一人だけが居なかった。
みやちゃんも一緒に3人で探すと、黒田くんは傷だらけで階段の端にもたれかかっていた。
「黒田、」
黒田くんに手を差し出した信長。
黒田くんは、信長の手をしっかりと取って立ち上がった。
こちらを振り返った信長に、私はにっこりと微笑み返した。
「みやび。先に教室に戻っていてくれ」
信長は私の手首を掴むと、みやちゃんにそう言った。
『何、』
「何って、その指、すぐに冷やせ」
『それなら、黒田くんも一緒に！』
「いや、俺はいい。これくらいどうってことない」
この後信長と二人になったらお説教される未来しか見えない…！
黒田くんに助けを求めたのに、黒田くんはニヤニヤするだけでさっさとみやちゃんを連れて教室に帰ってしまった。
そのまま保健室に連行された私。
保健室だったら艶本先生いるよね！と思ったら、先生は教室出張で不在だった。
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
