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「つまり、君は自分で考えた作戦を私たちにやらせておきながら、井伊を痛めつけたということか」

「相違ない」


伊達くんは黒田くんの返事を聞くと、徐に黒田くんを殴った。


「『黒田くん!』」


いやいや、相違しかないじゃん。

みんなは井伊くんが徳川派だってことは知らないけど、だからって、そこまでする必要ある?


「一発では足りんだろう。人を裏切れば、いつかバチが当たる」


伊達くんが倒れた黒田くんを引っ張り起こす。


『ちょっと伊達くん!』


と、教室内に突然太鼓の音が響き渡った。

音源が私の真横にあることはすぐにわかった。


『信長?』


どこから取り出したのか、信長がバチを握って太鼓を見つめている。


「やはり力任せに叩いたとて、良い音色は出んなあ。なあA?バチは加減が難しい」


信長はニヤリと笑ってバチを伊達くんの方に翳した。

それも駄洒落ととってよろしい?


「何が言いたい」


こちらに向かってきた伊達くんに、黒田くんは膝をついた。


「本当に申し訳なかった!…返す言葉もない」

「一体なぜ家康側に?」

「家康は、早々にPBB作戦を見抜いていた。俺は、自分の策を先回りされた。そんな男に、惹かれてしまったんだ。本当に悔いている!…だが今は、家康に対抗する策は、PBB作戦を置いて他にはない!作戦を、再開してはもらえぬだろうか?この通りだ」


黒田くんは伊達くんに向かって頭を下げた。

いわゆる土下座だ。

黒田くんがここまでする狙いがなんとなくわかった。

だけど、賛成する気にはなれない。


「ふぅ…いずれにせよ、君には外れてもらう」

「え、」

『なんで、』

「この先いつ裏切られても、おかしくないからな。君はもう、仲間ではない」

「そう思われても仕方がない。それだけのことをしたんだ」

「お待ちください!それはおかしいです。黒田くんは改心したと言ってるじゃないですか!」

『そんなの間違ってるよ…』


ドアの前から様子を伺っていたみやちゃんが、早足で向かってきた。

みやちゃんの腕を取って伊達くんに対峙した。


「また裏切らない保証はどこにある」

『私が責任取る』

「は?」

「もういいんだ日下部、蝶野。今最も重要なのは、PBB作戦を再開することだ。俺のことなど、」

「しかしそれでは!」


黒田くんは、自分の身を捨ててでも作戦を再開させようとしてくれているんだ。

.→←その伍



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美優(プロフ) - A?さん» コメントありがとうございます!前田くんと絡めるように頑張ります! (2022年8月26日 10時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
A? - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております!秀吉ともっと絡ませてほしいです!!! (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます! (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆう | 作成日時:2022年8月10日 0時

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