. ページ15
『ちょっと、余計なこと言わないの』
わざとなのか素なのか、こんなときまで駄洒落を言う信長の太ももを軽くはたいてやった。
しかも、みやちゃん完全スルーだ。
「そんなうまくなかったか」
一瞬驚いた顔をした信長は、ちょっと悲しそうに俯いた。
いやいや、そういう問題じゃないのよ。
「信長くん…!」
『みやちゃん?』
今はこの人に同情しなくても大丈夫だよ?
「そうですわ!良いアイデアがあります!」
急に立ち上がったみやちゃんは、笑顔になってアイデアの中身を話してくれた。
─────────────────────────
次の日の休み時間、教卓に立って手を叩き、みんなの注目を集めたみやちゃん。
「私、占いで裏切り者を突き止めました」
「え?」
まさかの告白に騒めく教室。
「今から二種類の印を送ります。絶対に人には見せないでください。…Aちゃん、お願いします」
『はぁい』
昨日準備した印をみんなの携帯に送信する。
みやちゃんと信長と3人で、一人分ずつしっかり確認したから大丈夫なはずだ。
これはみやちゃんの作戦なので、一応信長にも送信した。
「一つは仲間の印、もう一つは裏切り者の印。これを見れば、思い当たる節があるはずです。さぁ、これで裏切り者が誰かを特定しました。…では、PBB作戦を再開しましょう」
「はぁ?裏切り者明かさねえのかよ」
当然、裏切り者が誰か知りたいはずのみんな。
井伊くんがみやちゃんに突っかかった。
「知る必要はございません」
「何でだよ」
「よく考えてみてください。なぜ家康くんが裏切り者がいることを明かしたのか。それは、皆さんの輪を乱すために他なりません」
「確かに」
本当に口が上手いな。
いや、みやちゃんだからみんなも信用するのかもしれない。
内心は緊張しているのかもしれないけど、あんなに堂々と話せるみやちゃんがちょっと羨ましい。
「私たちがすべきことは、裏切り者探しではございません。作戦を遂行することにあるのです」
ここまで言われてまだ反論するような人はいなかった。
「では、我々にこの印を送ったのは」
「私たちが裏切り者に目を光らせていると伝えるため。これで、迂闊には動けないはず。それでは、PBB作戦を再開します。…いいですね?」
黙り込むみんな。
「いいですね!!!!」
「「「「「「はい!!」」」」」
最後は圧で押し切った。
613人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美優(プロフ) - A?さん» コメントありがとうございます!前田くんと絡めるように頑張ります! (2022年8月26日 10時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
A? - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております!秀吉ともっと絡ませてほしいです!!! (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます! (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆう | 作成日時:2022年8月10日 0時