【215】 ページ39
有耶無耶になんかしちゃいけない。
ちゃんと、伝えなきゃ。
「私…、‥大野さんの気持ちには応えられないです。」
智「……。」
「ごめん、なさい…っ、」
真剣に想いを伝えてくれた人には、
ちゃんと真正面から向き合わなきゃいけない。
それが例え、彼を傷つける結果となっても。
智「……大体予想はしてたよ。」
「へ…？」
頭を下げて数秒。
頭上から降ってきたその言葉に、思わず顔を上げてしまった。
ふふっと零された柔らかい笑い声。
「っ……、」
でも、いつものその笑顔の中には、微かに悲しい色が滲んでいた。
彼を傷つけていることが、嫌というほど分かってしまった。
智「やっぱりダメだったか。」
「ごめ…、なさ…っ、」
恋は楽しいだけじゃない。
誰かが幸せになる裏側で、恋に破れて傷つく人が居る。
智「ふふ、謝んないでよ。」
泣きたいのはきっと彼なのに、傷つけている私の方が涙を流していた。
ｷｭｯ…と唇を噛んで涙をこらえていると、彼の指がそれを止めさせる。
智「‥俺そんなに素直じゃないからさ。」
「え…？」
智「諦めないよ？」
「へ……、」
はらはらと雪が舞う。
智「Aちゃんの幸せな笑顔見るまで、諦めない。」
彼の底なしの優しさと強さを知った。
智「ニノに傷つけられたら、すぐ掻っ攫うから。」
彼が私を抱き締めた時、雲で隠れていた太陽がそっと顔を出した。
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?醂凛?(プロフ) - 和音さんの作品をいくつか読ませて頂きました。どれも内容が素敵で、毎度更新を楽しみにしてます！和音さんの世界観大好きです！夢を見させて頂きありがとうございます。応援しています、頑張って下さい！！！！ (2021年3月19日 0時) (
レス) id: 051ec58ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2020年3月8日 18時
