【212】 ページ36
*side和也*
「二宮さんを好きで居ていいっていう許可がほしい、です…っ、」
愛しいと思ってしまう。
どうしても好きだと思ってしまう。
だけどやっぱり信じられない。
信じた人に別れを告げられる悲しさなんて、もう味わいたくない。
そんなことを想ってしまう俺は、結局自分が１番可愛いんだ。
和「‥こんな俺のどこがいいの？」
彼女みたいに真っ直ぐで無垢な人は、
俺みたいな奴よりもっといい男が居るのに。
自嘲めいた笑いを零しながら彼女を見ると、
瞳が合ったその瞬間、息をするのを忘れてしまった。
視線が交わる。
――…想いが交差する。
「どこがいいのかと聞かれると、明確に答えられないです。」
涙で濡れた瞳は、さっきまでの頼りなさはない。
強さを秘めた凛とした瞳が、そこにあった。
「だけど、二宮さんがどうしようもなく大切で。」
信じられないくせに、信じたくて。
「どうしようもなく二宮さんを守りたくて。」
守ってあげたいのに、きっと今の俺じゃ守れなくて。
「二宮さんが、どうしようもなく好き…っ、」
こんなに好きなのに、ずっと一緒に居るという約束はできない。
涙で頬を濡らしていたのは彼女だけじゃなくて、
俺もだということに気付いたのは。
「許可、もらえますか…？」
彼女の細い指が俺の涙を拭ったから。
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?醂凛?(プロフ) - 和音さんの作品をいくつか読ませて頂きました。どれも内容が素敵で、毎度更新を楽しみにしてます！和音さんの世界観大好きです！夢を見させて頂きありがとうございます。応援しています、頑張って下さい！！！！ (2021年3月19日 0時) (
レス) id: 051ec58ae3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和音
| 作成日時：2020年3月8日 18時
