雌雄同体兄弟 (ページ35)

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20話ページ35

「あちゃー、こりゃヤバイ。……トレイくん、知ってた？」

「俺が暗記出来てたのは第350条までだ。
完全に油断してた。タルトの種類にまでルールがあるなんて……」

トレイ先輩とケイト先輩が何やらコソコソ話している。
その間でもリドルくんは怒りそのままに

「マロンタルトはすぐに破棄しろ！
それから、こいつらを寮外へつまみ出せ！」

そんな命令を下した。

『そんなっ！破棄だなんてあんまりだ！
お菓子作りの労力をそんな簡単に……！

労ることこそすれ雑に扱う権利は君に無いはずだ!!』

真っ先に批判の声を上げた。

今まで声を荒らげる事がなかった私にリドルくんは目を見開いて驚いたが、すぐにその目をキッと細めて私を睨む。

まるで裏切り者だ、と言わんばかりに。

「なんだいアレン。君は彼等の味方なのかい？
それとも持ち込もうと言ったのは君なのかい？

どっちにしろこのボクに口答えなんて、随分と度胸があるんだね」

『っ』

「アレン先輩は悪くありません！
それにそんなおかしなルールに従ってるなんて馬鹿みたいですよ！」

圧に押されそうな私に援護射撃をしたのはユウくんだった。

いやぁユウくん。
先頭歩いてくれるのは良いんだけど……

そこ地雷原なんだわ。てか、もう踏み抜いてるんだわ。オーバーキルだよそれ。