０章 1話 ページ2
ハロハロハロー、アレンくんだよ。
前世の死因は落石のアレンくんだよ。
特別痛くは無かったね。多分潰れる前に気絶したんだと思う。
私は今何してるかって？
湿った石の下に隠れてるんだよ。
なんだかとても既視感のある黒い馬車があった。
いや私クソ雑魚ナメクジだし、両親も実に平々凡々な優しい人らだったし、絶対来ないと思ってたのに……なんで来ちゃうのさ……。
おかしい、おかしい。
「アレンー出て来なさーい！」
「アレンー何処だー？」
あぁマミ上とパピ上が呼んでるよ。
でも出たくないなぁ。
ココ出たらしばらくマミ上とパピ上に会えなくなるんでしょ？
嫌だわぁ。
「やっぱり石の下に居たのか、アレン！
おーいコッチに居たぞー!!」
『あ、パピ上……』
パピ上の声にマミ上もやってきた。
探し疲れたのか若干息が上がっている。
ごめんね。
「アレン……馬車が来てるのよ？ なんだってそう隠れるの？」
「そうだ、お前は幼い頃からナイトイレブンカレッジに行きたがっていたじゃないか」
『……』
「アレン？」
『……から…』
私が俯いて放ったつぶやきがよく聞こえなかったのか2人はもう一度聞いてきた。
『まだ私……2人に親孝行してないよ……それなのに4年間も離れるんだよ？
離れちゃうんだよ？』
2人の目を見ながら言えば、一瞬驚いた表情をした後、安心したかのように微笑んだ。
そして私の頭を撫でて
「なんだ、そんなことか」
なんて言ってきた。
「良いのよ親孝行なんて。そんなもの大人になってからいくらでも出来るわよ！」
「そうだ。
だが学園に行くのは今しか無い！
行ってきなさい。お前は何にでもなれるのだから」
『うん！』
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作者名：みゃるかめす | 作成日時：2020年5月9日 18時
