今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:1,605 hit
小|中|大
. ページ6
「あれ、違った?」
「…いや、間違っていない」
「よかった」
そう言って彼女は初めて笑みを浮かべた。
冬弥はまた、シャツの胸元を強く握りしめる。
そしてお互いに何も話すことなく、時間が過ぎていく。
何か、話したい。と冬弥は思うが肝心の言葉が出てこなかった。
「(彰人だったら、もっと上手く話せるだろうに)」
そんな時思い浮かんだのは相棒の姿。
コミュニケーション能力が高い彼なら、もっと話題を引き出せたはずなのに。
自分には、それがない。
今はそのことがたまらなく悔しかった。
「どうだった?私のピアノ」
何も話さない冬弥を見て、少女は話題を振った。
「え、えっと…」
突然のことに冬弥は言い淀む。
少女はそんな冬弥を見ても、ただじっと冬弥の言葉を待った。
「(何か、言わなければ。なぜだか分からないけれど、言わなければ後悔する気がする)」
落ち着いて、自分の伝えたいことをまとめようとするがどうも上手くいかない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
5人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レノ | 作成日時:2022年5月7日 23時