パブ ページ13
「そんなに溜まっているんなら、パブにでも行ってそこらへんの女の子捕まえてくればいいのよ。」
ある日の午後、書斎で紅茶を飲みながらAは
言った。幸い、Aとアドム以外に書斎には誰もおらず、この話を聞いている者はいない。まぁ、それが分かってて彼女達は話しているのだが…。そんな呑気なことを彼女に言われてアドムは少し顔をしかめながら、遠慮しておきます。と言った。
「本当にそんな事したら怒るだろ?」
「そうね。他の女の人に触った身体で私に触れないでほしいからね。」
「………………我が儘。」
アドムは皮肉そうな顔をして言った。Aはその通りね。と言いそうな顔でフフンと彼を横目に嘲笑した。彼のようにAは享楽主義な人間ではないため、我慢しろと言われれば、我慢できる。寂しささえ紛れればいいと思っているから。一方の彼は完全な享楽主義なため、我慢はかなりのストレスとなる。それなのにイライラを表に出さないことにAは少し感心する。
Aは机の上に用意されていたお菓子を一つ口に運ぶ。クリームとスポンジが口の中でいい具合に混ざり、紅茶をそそる。
「貴方は明日は休みなのね。」
はい。とアドムは返事をする。1ヶ月に一、二度泊まり込みで働いている召使いは家に帰って休息をとる日が与えられている。もちろん、休息をとらなくてもよいという召使いもいる。
Aは、更にもう一つ口の中にお菓子を放り込み、もぐもぐと美味しそうに口を動かす。
アドムはクスッと笑って、Aのカップに紅茶を淹れながら言った。
「僕が居なくて寂しいのですか?お嬢様。」
それを聞くと、Aはフフンと鼻で笑って、まさか。と冷たく言い放った。予想通りの答えがかえってきて、アドムは静かに口角を上げる。
こういった温度差がある方が必要以上にベタベタされるよりマシだ。いや、むしろそっちの方がありがたい。と彼は思っていた。
表紙はいかがでしょうか?
私の中のアドムです。当初の予定では、髪が長くてくくっているという設定でしたが、変えました。感想なんかがあれば嬉しいです。
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もなか@中身はこしあん(プロフ) - 麗華さん» 学校はじまると何かと忙しいですからね(´-ω-`)麗華さんも暇なときでいいので見に来てくださいね~♪ (2015年9月7日 17時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - もなか@中身はこしあんさん» いえいえです(*・ω・*)学校始まっちゃいましたもんね…やだなぁ(笑)第一章完結お疲れ様でした!番外編も第二章も楽しみにしてます♪ (2015年9月5日 23時) (レス) id: 525612bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - 麗華さん» ありがとうございますっ!(っ´ω`c)更新ペースはこれから少し落ちると思いますが、よろしくお願いします。まだまだ序の口ですから、第二章ではもっとドロドロにしていきますよ~(`・ω・´) (2015年9月1日 7時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - もなか@中身はこしあんさん» 「私が来てない間にかなりお話が進んでいる(;°Д°)」とビックリしました(笑)折角なので最初から読み返してみました♪途中で感動して泣いちゃいました…これからも更新楽しみにしてます^^波乱の第二章に突入だ!((黙r (2015年8月31日 16時) (レス) id: 525612bbb2 (このIDを非表示/違反報告)
もなか@中身はこしあん(プロフ) - しゅうさん» 素敵だなんてっ…そんなっ…(*゜д゜*)とっっても嬉しいです!!ありがとうございます! (2015年8月13日 2時) (レス) id: 42910bbd46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もなか | 作成日時:2015年5月30日 19時