96.静粛 ページ9
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煉獄side
Aの恋人、という立場は結構大変だ。
日頃から牽制しておかないと、目を離せばすぐにAに群がる隊士達。
今日も今日とて例外では無い。
安静にしろと胡蝶に釘を刺され、数日間まともに稽古が出来なかった。
Aが世話係として甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるのは良いが、たった数日間でも身体を動かさないと腕が鈍る。
それは柱として死活問題だった。
だから胡蝶からやっと許可が降りた時は、宇随や不死川もたまたま空いていて合同稽古が出来る事もあり、そちらに気をとられ油断していた。
また、竈門少年達の稽古をするとAが言っていたのも大きかっただろう。
まぁあの3人ならば、俺のAの近くに居ても問題無いと思っていた。
が、良く考えてみたらAを俺の側から離すのはかなり不味い。
俺の居ない時を狙ってAに近づく輩もそう多くは無いからだ。
その結果がこれだった。
稽古から帰ってきてみれば、予想を上回る隊士の数。
『あ、煉獄さんっ!お帰りなさいっ』
Aは俺の姿を視界に捉えるなり、駆け足で駆け寄ってきた。
それは愛いので良いのだが、問題は俺の居ない間にAに近づこうとした隊士である。
「ひっ、え、炎柱様……!」
「お、お早いお帰りで……け、稽古はもう良いんですか…?」
俺が来た途端、顔を青くする隊士が何名も。
大抵、そういう反応をする奴らは少しでもAに下心がある者達だ。
癇に障る。
俺が来て焦るぐらいなら、何故俺が居ない間に近づいた?
「……あぁ!ところで、何故君達はここに居る?今日は竈門少年と黄色い少年と猪頭少年しかAの稽古には参加していないと聞いていたんだが」
「い、いや……え、えっと、そう!先日の列車の任務で上弦の鬼が出たと聞いて!」
「俺達も気を引き締めようとっ、つ、強くなりたくて!!」
……良くもまぁ堂々と嘘がつけるものだ。
だが、そう言ってくるのならば俺も堂々と粛清を加えられる。
「そうか!!それはやる気があって何よりだ!!ならば次は俺が直々に稽古をつけてやろう!!Aの稽古は嬉々として受けていたんだ、それだけやる気があれば勿論俺の稽古も受けたいだろう?」
気配を消して逃げようとする隊士も全て、1人残らず捕まえて。
Aに気安く近づいたらどうなるか、その身を持って知らせてやろう。
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anna(プロフ) - もうこちらは更新はされないのでしょうか…?お気に入りに登録しておくので、気が向いたらぜひお待ちしてます! (7月14日 13時) (レス) id: dc36689536 (このIDを非表示/違反報告)
ソイク(プロフ) - 続き気になります!無理せず更新頑張ってください!陰ながら応援しています (2021年9月27日 0時) (レス) @page27 id: 145d3835ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@新垢2 | 作成日時:2021年5月23日 18時