114.内緒 ページ27
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ここまで聞いといてお預けは嫌だ、今丁度気になるとこ!と固唾を飲んでAを見守る周り。
そんな大勢の隊士に見られ、まさか自分達の馴れ初め話までされているとは思ってもいないAは、うっすらと目を開けると
寝言のように『うる……さい、……ん〜……』と頭を動かした。
そして顔をあげて、暫くぼ〜っと杏寿郎の顔を眺めるA。
「どうした?」
すると案の定Aの前だとめちゃくちゃ静かに声のトーンを落とす炎柱を見て、目が飛び出るかと思うほど驚く周り。
しかも普段自分達に発せられる溌剌とした声とは異なり、幾分その声色には甘さがある。
『……きょー、じゅろ、さん……』
しかもしかも、
AはAで完全に半分夢の中なのか寝ぼけているのか、普段滅多に聞かない名前呼びである。
むしろ今この時、ほぼ全員の隊士がAが杏寿郎を名前で呼ぶ事があると知っただろう。
更に目が飛び出た。
そしてその横で大笑いしている音柱。
「……A、寝ぼけてるだろう。あれだけ周りの目がある前では頑なに煉獄さん、だったのに。Aのせいでバレてしまったぞ」
『……ん、ん〜……なんの、こと……?』
「内緒じゃなかったのか?」
『う〜ん……ん、』
いいぞもっとやれ〜!と酒瓶を上にあげて完全に面白がっている。
それに対して普段ならここら辺で自制を効かせる杏寿郎も、今日は酒を飲んでいるせいか、それともわざとか。
僅かに口角を上げて
「良いのか?名前呼びは同衾の時だけだろう……?」
なんて、とんでもない爆弾発言を決して大きくはないが周りに聞こえる声で落とすものだから
いよいよ周りはパニックである。
音柱は大爆笑。
「ど、どうきん……?おい、今同衾って言った?」
「い、いや聞き間違いだろ……」
「いやでも絶対今同衾って、」
「え、同衾って、あれ、のこと、だよな……?」
「え?え?」
対してAは今寝ぼけているため、杏寿郎に何を言われたのか良く分かっていない。
そんなAを見て、更に口角をあげる杏寿郎。
これは完全に後者の方である。
ついでにAは俺のものだという事も今の隊士に知らしめておこう、と今も昔も考え方は変わらない独占欲剥き出しのかなり重めな愛。
やばい男に好かれたなと音柱は大笑いだが、全くもってその通りであった。
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anna(プロフ) - もうこちらは更新はされないのでしょうか…?お気に入りに登録しておくので、気が向いたらぜひお待ちしてます! (7月14日 13時) (レス) id: dc36689536 (このIDを非表示/違反報告)
ソイク(プロフ) - 続き気になります!無理せず更新頑張ってください!陰ながら応援しています (2021年9月27日 0時) (レス) @page27 id: 145d3835ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神崎セルザ@新垢2 | 作成日時:2021年5月23日 18時