想えば想わるる ページ47
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［ 太宰治 ］
・ヤンデレな彼
・素敵なリクエストは佐奈りんご様より
悩ましげな顔をする中原君
うーんと長く考え込んで、「悪いな」と
『矢っ張り、無理だよね…』
「
『うん、佳いの、ありがとう』
渡していた手配書を返してもらって、改めて其れに目を落として溜め息を吐いた
今回、首領から私に降りた任務の指示は至ってシンプルで
�� 情報収集 ��
特記事項には手段は問わない、と、只其れだけだ
只、其れだけなんだけど、其の極シンプルな任務が、一言が、私には大変重たい事で
手配書に記された対象は齢五十過ぎの官僚
勿論、マフィアが普通に質問をして、知りたい情報を教えてくれる程甘い相手ではない
其の為の特記事項だ
そして其の任務が、女である、私に託された
要するに、色仕掛けで落としてこいとの事である
手段は問わない、なんて短い特記事項の裏側に見え隠れする任務の本質に、私は頭を悩ませているのだ
「―――A」
『ん？』
「……手前、大丈夫か？」
『仕方ないよ、この世界に入った時から覚悟していた事だし、無心で遂行してくる』
「そういう事云ってンじゃねぇよ」
もどかしそうな其の表情を見て、悟った
―――嗚呼、気付いていたんだ
と、まあ、中原君は彼の相棒だから、知っていても何らおかしい事ではない
彼――私の恋人である、幹部の太宰治が、他の誰でもない私を、過度な愛情という名の執着で縛っているという内情を
『ごめんね、心配かけて、でも大丈夫だから』
「ハァ………大概莫迦な女だな手前も」
立ち上がって、私の頭にぽんっと手を乗せた中原君が、「何かあったら俺に云えよ」と
本当に優しい人である
『ありがとう』
彼の部屋を後にして、向かう先は太宰君の執務室
今回の任務の事を話したら、彼は何て云うだろうか、どんな表情をするのだろうか
きっと、私の予想の範疇を超えてくるに違いない
何が起こるか判らないから、彼と顔を合わせる時はいつも少々の緊張を隠している
それでも、好きだから離れられないのが現状だ
辿り着いた執務室の前で、一つ、息を吸って扉をノックした
「―――入り給え」
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白菊 - 文体もストーリーもオチのつけ方も本当に素晴らしい！読んでいてきゅんとしたり、吹き出してしまうような温かみのあるお話ばかりで大好きです。キャラクターの性格もよく理解されていて、楽しく読ませていただきました。次回作楽しみにしています！！ (2018年5月28日 19時) (
レス) id: 86eebfe98b (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - どの話も一つ一つの言葉選びがとてもツボでした！ステキな作品に出会えてよかったです！リクエストなのですがお餅さんの書かれる谷崎君が読みたいです！シチュエーションは出来れば谷崎君からの告白が良いです。 (2018年5月28日 5時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
黒木燈(プロフ) - めっちゃ好き…。文の書き方っていうかなんて言うか…取り敢えず続編作って下さい…！！後小型犬拾いました。の奴凄く気になる…！連載とかしないですかね？ (2018年5月28日 0時) (レス) id: b7d60aca1c (このIDを非表示/違反報告)
白薔薇 - 大きな犬拾いましたの夢主が出張でいない時の太宰さん目線欲しいです (2018年5月27日 21時) (レス) id: 77783d49a8 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - どのお話も素晴らしいです！できれば、続編も見てみたいです！ (2018年5月27日 19時) (レス) id: 044bba1da0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お餅
| 作成日時：2018年5月18日 23時
