【文スト】彼らと私の恋愛観

可愛さ余って憎さ百倍 ページ38

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［ 中島敦 ］

・先日( 5/23 )がキスの日だったという事で便乗



「―――Aさん大変です！」

『確かに大変だね敦君！』

「云ってる場合じゃないですよ！」



定時前、ソファに寝転がって駄菓子を貪る私の前に、可愛い後輩である中島敦君がしゃがみ込んだ


困ったように眉を八の字にする彼は、本当に可愛い

だからいつもしょうもない事で困らせては、其の顔を拝んで癒されているのだ


可愛いは罪である、と、私は世に説こう



「もう、Aさん、本当に早く報告書を終わらせないと、退勤時間になっちゃいますよ、残業ですよ」

『…………其れは大変だ』

「だから云ってるじゃないですか」


食べる手を止めた私から、すかさず駄菓子の袋を取り上げて、「起き上がって下さい」と手を伸ばす彼

其の手を掴むと、軽々と引っ張られて体を起こした


「僕も手伝いますから、早いとこ終わらせちゃいましょう、ね？」

『なんて良い子なの君は…お姉さん嬉しい…』


腕で目を覆って泣く振りをすると、「はいはい」と呆れ乍笑ってくれる


―――嗚呼、可愛いなあ全く


食べちゃいたいくらいだよ



「――敦君、食欲旺盛な女性には気を付ける事をお勧めするよ、君の身の保身の為に」

『煩いよ太宰、後私は駄菓子が好きなだけだから』

「おお怖い怖い、私は先に帰るとしよう」


私と太宰の云い合いを見て、頭の上に疑問符を浮かべて首を傾げる敦君


うん、矢っ張り可愛い


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