【文スト】彼らと私の恋愛観

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「おかえり」

『えっと、取り敢えず靴を脱ごうかな…』



と、云っても離れない彼

――流石に、スマホの電源切った侭放置はやり過ぎただろうか…



「遅かったね」

『飲み会が長引いちゃって』

「携帯繋がらなかったのは？」

『じゅ、充電が無かったのかなあ…』

「嘘、朝百パーセントだった」


……如何して知ってるんだ


否、愚問である

彼が私のスマホを勝手に弄るのは日常茶飯事だ


こういう場合、何を如何言い訳してもこの男には通用しないっていうのは、長らく一緒に過ごす中で学習した事で


――…仕方ない、素直に謝るか


と、依然としてぎゅうぎゅうと私を抱き締める大型犬の頭を撫でた



『ごめんね、一寸した悪戯心が働いちゃって』


初勝利かと思われた本日だが、結局、いつも通り私が折れて引き分けって所かな


わさわさと其の蓬髪を撫でていると



「へぇ、悪戯心、ねえ」


と、なんだか含みのある云い方をした太宰君は


『わあっ、くすぐったい！ちょっ、待って待って！』


すんすんと、宛ら犬の如く私の首元の匂いを嗅ぎ出したのだ


そして次の瞬間、がぶりと、噛みつかれた



『痛い！何！何！？』

「…………私の嫌いな匂いを付けて帰ってくるのも、悪戯心かい？」


聞いた事もない彼の低い声が、私の鼓膜を揺らす



【 後編へ続く… 】

Happy Holiday→←＊

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