【文スト】彼らと私の恋愛観

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ミッション１ー 初手、取り敢えず照れる


『…あ、く、国木田…お、はよう…』

「……如何した、顔を赤くして、熱でもあるのか？」



怪訝な顔で私を見下ろす対象

これは想定外だ、真逆の鈍感説浮上で作戦は早速ピンチに


ここで太宰が動いた


「国木田君、莫迦は風邪引かないって言葉を知っているかい？」

「ああ、そうだったな、では何だ、奇病か？」

「………」


結果、恥をかいただけである


太宰には肘鉄をお見舞いしておいた





ミッション２ー ボディタッチと上目遣いの神セット


「――A、この報告書だが」

『はいはい！どれですかあ？』


チャンス到来

報告書片手に私を呼び止めた国木田に振り返って、即座に傍へ寄って腕を絡めて見上げる


―――あ、近くで見ると意外とタイプかも


じゃなくて


「………何処を見ている」

『え？』

「俺の顔を見ろとは云ってない、報告書を見ろ」

『わっ』


絡めていた腕をするりと抜かれて、其の手でぐりんと首を報告書の方へ向けられた


これも失敗

助力を求めてちらりと太宰を見ると、両手で顔を覆って小刻みに肩を震わしている


――さては奴、笑ってるな…？


後でもう一発肘鉄を見舞ってやろう、力倍増で





ミッション３ー 奥義、単刀直入に恋愛相談


午後の依頼を済ませ

国木田の運転で探偵社に戻る車中


今が好機だと、ハンドルを握る横顔に呼び掛けた


「如何した、腹でも減ったか？」

『えっと、違くて…』

「何だ、はっきりしろ」


最大限云い難い雰囲気を醸し出して、そしてストレートに相談を打ち明ける


これは太宰のアドバイスだ

他にも事細かに成功の秘訣を説いていたが、恋愛マスターなのかあいつは



『実は私、お、想いを寄せる殿方が居まして』


いじいじと膝の上で自分の指を弄びながら打ち明ける

勿論これも、太宰の指示


こんなんでこの鈍感男は本当に驚くのだろうか


「……………変な物でも食ったか？」


否、これも効き目無いらしい


なんだかもどかしくなる

当初は彼を困らせるつもりで始めた今回の作戦だが、仕掛け人のこちらが頭を抱えている現状


如何すれば彼に伝わるのだろうか


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