＊ ページ14
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「………イイ所なのだけど、中也」
「そりゃ残念だったな、糞鯖」
太宰さんに気付かされた真逆の新事実に、驚いて反応が遅れた彼の急接近
時既に遅しと諦めてぎゅうっと目を瞑ると刹那、背後から伸びてきた手が私の口を覆った
そして睨み合う両者
「手前の抜け駆けくらい読めてンだよ離れろ」
「びっくり、脳筋だからてっきり脳みそ迄筋肉が詰まっているのだと思ってた」
「あァ！？」
私を挟んで喧嘩を始めないでほしい
お忘れだろうが、公衆の面前なのだ、市民の目が非常に痛い、そして休憩時間の終わりも迫ってる
息も苦しいので、そろそろ離してほしくて中原さんを見上げると
「あ、悪い」
と、簡単に開放してくれた
『……お二人は、お惣菜が好きで来てくれてたわけじゃないんですね』
「俺も太宰も手前しか眼中に無ぇよ」
之以上にないド直球な告白、普通の年頃の女の子なら飛んで喜ぶような其の台詞だが
『そんなんじゃ私は靡きません』
「あ？」
「おやおや」
怪訝に私を見詰める中原さん、悟ったように微笑した太宰さん
二人とも、もううちのお惣菜屋の常連さんだ
この三ヶ月彼らがほぼ毎日のように来てくれるから賑やかで楽しかった
勿論、そんな彼らが私は大好きである
が…―――
『私、お惣菜を心から好きって云ってくれる人じゃないと付き合えません』
って、いうのは建前で
本音を云うと、今の所彼らを恋愛対象として見れないのだ
でも楽しいから店には来てほしい、ついでに売り上げにも貢献して頂きたい
という事で曖昧にして彼らを繋ぎ止める方法をとった
「何だ其れ」
「これは長期戦になりそうだね」
『私の事好きなんですよね？』
少々小っ恥ずかしいが問うと、二人揃って「愚問だ」と
『ならこれからも通って下さい』
我ながら小癪な策だが、これからはちゃんと意識するように心掛けるから許して頂きたい
呆れつつ、わしわしと頭を撫でてくれる中原さん
「頭の善い子だねえ」と、私のお惣菜を摘む太宰さん
どちらか一方に、落とされてしまう未来は来るのだろうか
今の所想像もつかないが、どちらに落とされてもきっと、幸せなんだろうな
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白菊 - 文体もストーリーもオチのつけ方も本当に素晴らしい！読んでいてきゅんとしたり、吹き出してしまうような温かみのあるお話ばかりで大好きです。キャラクターの性格もよく理解されていて、楽しく読ませていただきました。次回作楽しみにしています！！ (2018年5月28日 19時) (
レス) id: 86eebfe98b (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - どの話も一つ一つの言葉選びがとてもツボでした！ステキな作品に出会えてよかったです！リクエストなのですがお餅さんの書かれる谷崎君が読みたいです！シチュエーションは出来れば谷崎君からの告白が良いです。 (2018年5月28日 5時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
黒木燈(プロフ) - めっちゃ好き…。文の書き方っていうかなんて言うか…取り敢えず続編作って下さい…！！後小型犬拾いました。の奴凄く気になる…！連載とかしないですかね？ (2018年5月28日 0時) (レス) id: b7d60aca1c (このIDを非表示/違反報告)
白薔薇 - 大きな犬拾いましたの夢主が出張でいない時の太宰さん目線欲しいです (2018年5月27日 21時) (レス) id: 77783d49a8 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - どのお話も素晴らしいです！できれば、続編も見てみたいです！ (2018年5月27日 19時) (レス) id: 044bba1da0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お餅
| 作成日時：2018年5月18日 23時
