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荒北side
箱根から出て、ここに来て。
大学はまだ慣れねぇから疲れるけど、まぁ悪くはねぇし。
今んとこ上手くやれてる気がする。
「つーか、俺がここに来てもう1ヶ月経つのか。」
「そうだね。今日でお見送りしたあの日からちょうど1ヶ月だねっ」
「見送りの日ねぇ…」
福チャンや新開、東堂だけじゃなくて、黒田や泉田…後から遅れて真波までやって来て。
「うるさかったな。」
「あははっ、賑やかだったよねっ」
でもまぁ…悪くなかったな。ああいう風に見送られるのも。
「Aはよく泣かなかったな。」
「だって、前日に靖友くんが不安全部取ってくれたもん。」
…あー…
よく考えるとかなり恥ずかしい事言ったなァ…
「あれ？もしかして靖友くん照れてる…？」
「っ、ウッセ！」
「あ、やっぱり照れてたんだ。」
…クッソ…よくもまぁあんな小っ恥ずかしい事したなぁ俺。
…でも、あん時言ったことは俺の本音で。それは間違いなくて。
俺の言葉を聞いて嬉しそうにしたAを見て、その気持ちはますます大きくなった。
「あの日…幸せノートのページ、たくさん使っちゃった」
「ぷっ。おめー、そのノートいつまで書き続けるつもり？」
「んー、…靖友くんのお嫁さんになるまでかな？」
Aの発言に心臓がドキッて大きく跳ねた。
…………
…お嫁さんって…。
なぁんでこいつ、照れる様子もなくこんな事サラッと言えんだヨ。
「お嫁さんになれたらその後もきっと幸せな事たくさんあると思うから、1週間おきにノート買うことになりそうだもん。」
「いや、1週間でノート1冊分書くって無理だろ」
「絶対それくらい幸せなのっ」
…可愛い事言いやがる。
「さすがにそんなにノート使っちゃったら大変だもんねっ。ノートじゃなくて心に置いとくだけにするねっ」
電話越しに、Aの『えへへ』っていう嬉しそうな声がした。
「靖友くんと一緒なら、どんなに大変な事が起きても一緒に乗り越えて、その後には絶対笑顔になれると思う」
「…そりゃドーモ。」
「あ、また照れちゃってる？」
「っ、ちっげーよバァカ！」
……あー、クッソ。
んな事言われたら嬉しくて顔緩むっつーの…。
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作者名：蓮菜 | 作成日時：2021年4月10日 0時
