良き人 tn ページ11
tn side
ロボロからの通信でAさんが起きたと知るやいなや、部屋を飛び出すグルさん。
止めても無駄やから、その後ろ姿を追いかける。
グルさんに続いて医務室へ入れば、初めて会った時とは顔色の全く違うAさんと、引きつった顔のぺ神がこっちを見ていた。
さっきは焦って失礼な物言いをしてしもたから謝らなアカン。
にしても何やペ神。変な顔して。
gr「失礼するぞ。君がAだな」
『はい』
gr「私はグルッペン・フューラー。この度は本当に助かった、礼を言うぞ」
『いえ、お役に立てて何よりです』
背筋を伸ばして答えるAさんに、常識人や、とホッとする。
これ以上に躾の必要な猿が増えたら困る。
gr「お礼がしたいんだが何か望みはないか？」
Aさんは滅相もないと、首と両手を左右に振るもんやから、俺と同じ黒髪がサラサラと揺れた。
tn「何か言うてください。Aさんがいなかったら、このwrwrd国は滅んでたかもしれません」
『そんな、大げさですよ』
tn「いやいや、今は隣国との軍事力も均衡して同盟を結んでますけど、総統が不在となれば攻め込もうとする国もあったでしょうから」
言わば国全体の恩人。
何もお礼をせん訳にはいかん。
Aさんは俺の方を見て、総統？と小さく呟くから軽く頷く。
『グルッペン様が総統閣下とは知らず、こんな失礼な態度で申し訳ございません』
sn「まだ動かん方が良いで」
ベッドから降りようとするAさんを、ペ神が止める。
はぁー、ほんま良き人やなAさん！
普段やばい奴らの言動に慣れとう分、感動すら覚えてまうわ。
gr「堅苦しいのは無しだ。A、賓客として君にwrwrd国の永住権を贈りたい。長く過ごすうちに礼の1つや2つ、思い付くだろう」
『そんな、そこまでしてもらっては』
tn「あのあの、まさかやけど、自分が異世界人やってこと忘れてません？住む当てあるんですか？」
『………』
俺が遮った言葉から数拍の間に、彼女の表情がコロコロと変わる。
不思議そうな顔が絶望的な顔になって、真顔に戻ったと思ったら項垂れた。
頭ん中で色々考えてんのがバレバレや。
小さな声でお願いします、と呟くAさんに笑いを堪えながら話しかける。
tn「さっきはすみません。焦ってたとは言え失礼な言い方をしてしまって。グルさんの事、ありがとうございました」
俯いていた顔が上を向く。
当然のように俺を見る真っ黒な瞳。
あぁ、キレイやな。
素直にそう思った。
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ゆかり(プロフ) - わぁーー、めっちゃ嬉しい！ありがとーございます！書きたい話はまだまだあるので、頑張りますね。 (2021年11月3日 20時) (
レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
すいみん。(プロフ) - とても面白いです！どストライクにハマる世界観、書き方、夢主の性格...など！めちゃくちゃ好きです。次の更新楽しみにしています。無理せず頑張ってください！ (2021年11月2日 23時) (レス) @page31 id: 89ac922806 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 御三方、コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです！頑張る励みになりますね。そして銀狐様、ご指摘ありがとうございました。コソッと直してみました！ (2021年10月25日 12時) (レス) id: 22f5afe48d (このIDを非表示/違反報告)
銀狐(プロフ) - この作品好きです！これからも御体に気を付けながら頑張ってください！あと大食漢ではないでしょうか？ (2021年10月25日 10時) (レス) @page18 id: b88b2ea9fb (このIDを非表示/違反報告)
シー - え、めちゃくちゃ好きです！！応援してます！！ (2021年10月21日 3時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆかり | 作成日時：2021年10月15日 6時
