【ノラガミ】二つの名を持つ神器

8.役割 ページ10

予想外の夜ト様の言葉に、思わず刺してしまったのではないかというほど驚いた。


けれど思いのほか大丈夫だったようで、夜ト様は何事もないように私のことを見つめている。


しかし、私を見つめる夜ト様の瞳は心なしか悲しそうだった。



確かに、最近は神器としての役割を果たしていない気がするけど...






『お気遣いありがとうございます。では、思う存分私をお使いください！』


「ちょっ、その言い方は誤解を生むからやめろっ！」


『え、なにがですか？』






自分で言っておきながらだけど、夜ト様に突っ込まれるとついくすっと笑ってしまう。






「切り裂けっ！紅器！！」


『了解しました！』






私は夜ト様の指示に従って、高速回転をし妖の四肢を切り裂く。


妖の体は瞬間的に凍っていく。






「行くぞっ、雪器！」






夜ト様は刀を力強く握りしめ、完全に凍って動けなくなった妖を斬った。

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