【ノラガミ】二つの名を持つ神器

26.頭痛 ページ30

「準備はいいかな？」


『はい、よろしくお願いします』






軽く一礼をし、兆麻さんに向き合う。



兆麻さんはすでに手を矛の形にして構えている。






「紅音、縛布！」






改めて周りを確認し、兆麻さんが術を使った。



私は怪しまれない為に一線を────





『痛っ...！』






突如、今まで感じたことがないほどの鋭い痛みが私を襲った。



そして、そのまま頭を抱えて床に倒れこんでしまう。


視界がぼやけてよく見えない。



駆け足でこちらへと向かってくる足音が聞こえる。






「紅音！？」


「だ、大丈夫か！？」






私を心配する二人の声が聞こえた。



立ち上がろうと試みるけど、その度にひどく頭が痛んだ。






「やっぱり、まだ体が万全な状態ではないんじゃないか？術を教えたくない訳じゃないけれど、今日のところは帰って休んだほうが...｣


『そうですね...。では、お言葉に甘えて。雪音君、頑張ってね』


「おう！ゆっくり休めよ！」






凛とした声で言う雪音君に『分かってますよ』と短く返し、毘沙門邸をあとにした。



それにしても、この痛み...






『父様に見てもらうしかないですよね...』






はぁ、とため息を一つ吐き、父様の新しい家へと向かった。

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話の展開が無理やりすぎますよね(笑)

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