【ノラガミ】二つの名を持つ神器

18.仲直り ページ22

それからひと悶着あったような、なかったような...



そんな感じで始まった、夜ト様と毘沙門様という誰も想像しなかっただろう組み合わせのお花見。




私はお茶をすすりながら、その光景を見て心底凄いなと思った。






『こんなこともあるのですね...』


「久しぶりだな、紅音」






隣いいか？、と話しかけてきたのはつい先日あったばかりの毘沙門様。



特に断る理由がなかったので、うなずき少し横に移動した。






「紅音がまさか夜トの神器だったとはな」


『隠してたつもりはなかったんですけどね。言ったほうがよかったですか？』


「いや、言わないでいてくれてよかった。紅音とは戦いたくなかったからな」






と、毘沙門様が微笑みながら言った。






『私もです』






とりあえず夜ト様の神器としては戦わなくてすんだと思うけど、父様の考えは私も考えてなかったようなことが多いからもしかしたらっていうのがあるのよね...






「久々に紅音にも会えて、ゆっくりできると思ったのによー」


『まぁまぁ、いいじゃないですか。これをきっかけに毘沙門様とは仲直りを──』






あ、やっちゃった...と思ったころにはもう遅く、夜ト様と毘沙門様はお互いを睨みつけてしまった。


しかし、二人とも何も言わずに一升瓶をゴクゴクと飲んでいた。

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