【ノラガミ】二つの名を持つ神器

4.本当 ページ6

『夜ト様？本当に大丈夫で────』


「紅音っ！！」






いきなり名を呼ばれたので驚いたが、とりあえず元の姿に戻った。






「おっ、お前！本当に紅音なのかっ！？」


『はい、そうですが...？』






夜ト様は私の顔に急接近し、涙目で聞いてきた。






『ど、どうされましたか？』






これには長年一緒にいる私も戸惑うほかなかった。


夜ト様の瞳からは大量の涙が零れだす。






「紅音ぇ〜っ、お前、無事だったんだなっ...」






夜ト様が手に持っていた神器を投げ置き、私に抱き着いてきた。


嗚咽をこらえずに泣く夜ト様の姿は、自然と昔を思い出させた。


このままこうしていたいと思ったけど、そんな想いに浸っている暇はなかった。



なぜなら...






『...夜ト様、あの神器はいいんですか？』


「んなこと、知らねぇよっ！！」






夜ト様はそう言い返すけどあの神器...


すごく私のことを見てる気がする...

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