純白の姫 (ページ13)

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第十一話ページ13

眩しい光に照らされて私は、目を覚ました。

今まで迎えてきた朝とは違う部屋…。

それに少し戸惑いつつも昨日のことを思い出し、冷静さが出てきた。

お兄様は、お部屋には居らず私だけだった。

私は、ゆっくりとベッドから降りると足が治っていることに気付いた。

私は、それに気づくと走り出した。

お部屋を飛び出し、裸足でいることも忘れ、ただひたすら走った。

途中、ヴァリアーの隊員達に会うが気にせず走った。

お兄様がいない…。

どこにもいない…。

また、涙がこぼれる。

「お兄様…。」

しばらく走って疲れてしまい、立ち止まると

「あれ？Aどうしたんだい？朝からそんなに走って？」

マーモンに会った。

「お兄様が…いない…。」

マーモンは、私の前まで来ると頭を優しく撫でて

「シャワーじゃないかな？朝は、毎日入ってるみたいだからね。」

私は、マーモンの言葉に急いで部屋に戻ろうと思ったが…。

「どうしたんだい？部屋がわからなくなったのかい？」

私は、マーモンの言葉に頷くと

「しょうがないね。金にならない事は、しないんだけどAのためなら連れていってあげるよ。ついておいで。」

とマーモンは、私の前を飛び始めた。

私は、それについて行った。

無言で歩いていたため、あることを聞こうと話しかけた。

「マーモン…」

「なんだい？」

「抱っこしていいですか？」

「君ね…ハァ…いいよ。」

マーモンは、ため息をついた後に私の腕の中に入ってきてくれた。

「マーモン…あったかいです。」

「ふん。さぁ、しばらくまっすぐだからそのまま歩いて。」

「はい。」

私は、長い廊下を歩き始めた。

お兄様の部屋を目指して…。