第94話 ページ47
二人で手を繋いでいると三ツ谷が急に
三「あのさ。」
と話し出した。
『なに?』
三「こんな時に言うことじゃねぇかもしれねぇんだけど……。」
どこか口篭る三ツ谷に私は、三ツ谷の顔をのぞき込む。
三「そんな見んな!」
『え?だって気になるから。』
素直にそう答えると
三「オレさ……オマエに初めて会った時から可愛いと思ってんだ。」
と照れくさそうに話し出してくれた。
『あ、ありがとう。』
そんなに真っ直ぐに言われるとこっちまで恥ずかしくなって顔が熱くなり三ツ谷の顔を直視出来なくなって目を逸らした。
三「オマエが拉致られて怪我させられた時、マジでどうにかなっちまいそうなくらいオレは、ソイツらが許せなかった。綺麗だった髪も切られちまって……。」
三ツ谷は、そう言って短くなった髪に触れるか触れないかくらいに手を伸ばしてきた。
三「触ってもいいか?」
真っ直ぐ見つめてくる三ツ谷に頷いて答えると三ツ谷は、まるで壊れ物に触れるように優しく触れてきた。
三「また、伸ばすのか?」
『うん、そのつもりだよ。』
三「それなら、またシュシュ作ってやるよ。もっと可愛いやつ。」
『ありがとう。楽しみにしとくね。』
私がそう答えると三ツ谷は、そっと髪にキスをした。
『えっ!?』
私は、三ツ谷のその行動に驚き思考が停止した。
三「なあ、気づいてたか?オレ、オマエの事好きなんだ。」
思考停止した頭がさらに思考停止するのだった。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2023年4月18日 15時