似てない双子 2 (ページ41)

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第８８話ページ41

堅兄たちが海に行ってから数日後。

今日は、いよいよ花火大会だ。

私は、朝から部屋を片付けたり堅兄と買い物に行ったりとバタバタしていた。

『飲み物買った。お菓子買った。ゲーム準備した。部屋片付けた。たぶん、OKかな？』

額にかいた汗を袖で拭いながら部屋を見渡していると

堅「張り切ってんな。」

と堅兄がやってきた。

『そりゃあ、人を家に呼ぶこと自体私は初めてなんだから！誰でも気合い入れるよ！』

堅「三ツ谷だからじゃないのか？」

堅兄がイタズラっぽく笑いながら私の顔を見てくる。

『そ、そんなんじゃないよ！』

首を横に振って否定すれば

堅「どうだかな？」

と笑いだす。

むー！

堅兄め！

『そういう堅兄こそ！朝からソワソワしてるじゃん！エマとのデートが楽しみなんでしょ？』

勝ち誇った笑みを向ければ

堅「悪ぃか？」

と平然と答えた。

クソ〜！

なんで照れないの！

なんて思っていれば堅兄は、私の頬に両手を添えて真っ直ぐ見てきた。

堅「三ツ谷は、信用出来るやつだ。だが、オマエが無理する必要ねぇからな？二人が怖かったり、体調崩したりすれば必ず……必ず連絡しろ！いいな？」

『わかった、堅兄。それ、三ツ谷にも言ってるんでしょ？』

堅「当たり前だ。」

私は、わかったと言ったが堅兄の言葉に一つの引っ掛かりを覚えた。

『だと思った。……一つ思ったんだけど、花火大会中なら携帯気が付かないと思うよ？』

堅「……。とにかく連絡しろ！いいな？」

堅兄は、私の頬をギュッと抑えて来た。

堅兄……考えてなかったようだ。

『わかったって言ったよー！』

ひよこ口になりながら返事をするのだった。