第83話 ページ36
堅兄は、私からそんな言葉が出ると思ってなかった用でしばらく沈黙が続いた。
そして
堅「コレって……この龍の刺青か?」
と指さしてきた。
『うん。……お願い。』
私が真剣にお願いすれば堅兄は、少し考えて
堅「……いいぜ。けど、なにすんだ?」
と返事をした。
『実はね……ここに刺青入れて見えなくしたいなって……。』
私が考えていることを話せば
堅「オマエ……入れたら一生消せねぇんだぞ?」
と心配そうに聞いてくる。
『一生消えないこの跡を見続けるより、堅兄や三ツ谷の龍を見てる方がいいから。』
私がそう答えれば
堅「わかった。今度連れてってやる。」
堅兄は、悲しそうな顔で頭を撫でてくれた。
堅兄を困らせたくは無いけど私は、この跡を見る度にあの日を何度も思い出したくなんてなかった。
だから、堅兄にダメと言われても彫り師のところには行こうと思っていたのだった。
『堅兄、薬塗ってくれる?』
私が恐る恐る薬を渡せば、堅兄はそれを受け取り
堅「痛かったら言えよ?」
と優しい手つきで薬を塗ってくれた。
薬が終わりガーゼをあてがい服を着た。
『堅兄!明日も明後日も薬塗ってね!』
私が笑顔でそういえば
堅「オレの理性ぶち壊すきか!?」
と怒られたが堅兄がその後、毎日薬を塗ってくれてることはみんなには内緒なんだ。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2023年4月18日 15時