第84話 ページ37
私が退院してしばらく経った頃だった。
堅兄が東京卍會で海に行くと言い出したのだ。
もちろん、私は行ける訳もなくお土産を買ってくることを条件に佐野家でエマと過ごすこととなった。
エマは、私が部屋に入ると
エ「まだ痛む?」
と駆け寄って体を触ってきた。
そんな心配そうな顔をして欲しくなくて
『大丈夫だよ!』
と笑った。
痛みがないと言ったら嘘になるが、ここは大丈夫だと言っておいた。
『それでエマ、今度の花火大会堅兄誘いなよ!』
私は、話題を無理やり変えた。
エマは、顔を真っ赤にして
エ「そんなの無理だよ!」
と必死に首を振る。
『なんで〜?浴衣着て花火とか行ったら堅兄もイチコロだって!』
既にエマに惚れてんだからムードさえ整えばきっと!
堅兄から「自分で言うまで絶対に言うな。」って言われてるけど……。
見ててもどかしすぎて両思いだって言いたい〜!
そんな葛藤をしていれば
エ「Aこそ!三ツ谷誘ったらいいじゃない!」
とエマに言われてしまった。
エマには、知らない男の人が怖いとは言ったのだが三ツ谷たちまで怖いとは言えていなかった……。
『誘いたいのは山々なんだけど……私にも予定がね……。』
エ「そうなんだ……残念……。」
エマには、ああいったもの本当はすごく行きたい……。
三ツ谷とのリハビリも少しづつ実を結んでいる。
でも、夜出歩くことまた拉致されたらと思うと怖くて怖くて仕方がなかったのだ。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2023年4月18日 15時