第74話 ページ27
今、分かってるのは……
体を触られる事が怖い。
男の人が怖い。
これくらいだ。
とりあえず、三ツ谷には少しづつこの克服を手伝ってもらう。
焦るといけないらしいので今日の課題は
三「じゃあ、失礼します。」
ベッド横の椅子に座って話すことだ。
堅兄は、反対側に座り大丈夫だと言うように手を握っていてくれる。
私は、深呼吸をして距離の近い三ツ谷を見た。
三ツ谷を見てドキドキするのは、好きだから……それと同時に何もしないってわかってるのにトラウマからか怖さがあった。
堅「A!?」
三「大丈夫か?」
私の顔色の変化に気付いた二人は、心配そうに見てくる。
『だ、大丈夫だよ。体の震えとかも無いし。三ツ谷、学校の話を聞かせて?』
私が笑えば三ツ谷は、堅兄を一度見た。
堅兄からは、何も言わなかったのでそれを見た三ツ谷はしぶしぶという感じで学校の話を始めた。
三ツ谷から聞かされる学校の話。
それを聞いていると分かる。
学校での三ツ谷は、活き活きしているのだろう。
手芸部の話では、部内からとても信頼されているのがよく分かる。
『三ツ谷は、学校が楽しいんだね?』
三「まあ、嫌いじゃないかな?」
どことなく楽しそうに笑う三ツ谷。
堅「オレらみてぇにサボんねぇしな?」
『堅兄たちは、もう少し勉強した方がいいと思うんだけど……。』
三「……そうだな。」
私の言葉に賛同する三ツ谷。
それに怒り出す堅兄。
楽しく話をしていればあっという間に三ツ谷が帰る時間となった。
三「それじゃ、またな。」
『今日は、ありがとう。』
堅「下まで送るわ。」
堅兄が三ツ谷を見送ろうとしたが
三「いいよ!Aの傍についててやれよ。それじゃあ。」
と三ツ谷は丁重に断って帰って行った。
『最初にしては、いい感じだったと思うな〜。』
堅「そうだな。最初、顔色が悪くなったから焦ったが今は大丈夫そうだな。」
堅兄は、私の頭を撫でながら顔を覗いてきた。
『うん!』
私が元気に返事をすれば満足そうに笑った。
このまま順調に克服できますように。
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作者名:ミニオン | 作成日時:2023年4月18日 15時