第63話 ページ16
先生が話を終え部屋から出ていくと堅兄と二人になった。
堅兄は、家から持ってきた鞄を開け荷物を棚などに直していってくれた。
それが終わり堅兄もようやく落ち着き椅子に座った。
堅「眠いなら無理して起きとかなくていいからな?」
ベッドに横になる私の頭を優しく撫でてくれた。
『ありがとう。少し眠いや。堅兄……手を握っててね。』
私は、堅兄へと手を伸ばしそういうと
堅「わかったよ。」
と堅兄は優しく私の手を包み込んでくれた。
『堅兄の手、暖かい……。』
私は、堅兄の温もりを感じてそのまま眠りについた。
目が覚めたのは、ちょうどお昼頃だった。
堅兄は、私が寝ている間に売店に言ったようで雑誌を読んでいた。
堅「お!起きたか?メシ来てるぞ!」
堅兄がキャスター付きのテーブルを私の前に持ってきてくれた。
『美味しそう。』
そこには、彩豊な料理があった。
堅「沢山食べて早く治さないとな!オレもここで食っていいか?」
『うん!一緒に食べよう!』
堅兄は、袋をガサガサとしながら売店で買ったであろうお弁当を取り出した。
テレビをつけてご飯を食べていると堅兄が
堅「そういえば、マイキー達がお見舞いに来たいって言ってたぞ?オマエが無理そうなら断るがどうする?」
と思い出したように聞いてきた。
私は、少し考えた。
今、男の人が怖い。
けれど、彼らは昔からの知り合いだし私を助けてくれた……。
何としても私もお礼が言いたかった。
だから、
『うん。いいよ!』
と返すと
堅「そうか!みんな心配してたから喜ぶぞ!とりあえず、来週にでも連れてくるわ!」
と堅兄はどこか嬉しそうだった。
私は、堅兄を友達から引き離してしまったのではないだろうか?
そんなことが頭に過ぎるのだった。
231人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミニオン | 作成日時:2023年4月18日 15時