星の魔女【2】 (ページ28)

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ヴォルフが保護者となった子ども達の生活はかなり忙しくなった。

朝食後にヴォルフが作った電動自転車に乗って町へ向かい、それぞれの仕事をして、家に帰る。

だが、なぜか恋歌は自転車を乗りこなす事が出来ず、毎日誰かに乗せてもらっている。

それから炊事や洗濯、畑仕事、ヴォルフの発明の手伝い、自分たちの勉強、そして各々の修練。

シャチとペンギンはローに習っている剣術や砲術をうまく使いこなせるようになってきたし、ベポは航海術の勉強だけではなく拳法も始めた。

男たちが修練をしている間、恋歌は難しい顔をしながら本を読んでいることが多い。

その本は今までと違い星の本ではなく、魔女についての本らしく誰もその本の文字を読むことはできなかった。

今までよりは全員で過ごす時間は減ったが、朝食と夕食は全員で一緒に摂るようにしている。

本屋での仕事は面白く、話をしなくても店主は文句をいう事もなく、占いの仕事もしてほしいと頼んでくる。

趣味の範囲なのでそんなに難しいことはできないと、最初は断っていたが、占いは人に希望を与えるものだと言われ、二つ返事でOKをした。

近々本屋の一角を使って恋歌の占いの店が開かれる予定。

魔力的にもそんなに人数は見れないと思い、一日に占う人数は上限を設けて欲しいというと、それは快諾された。

「あ、恋歌ちゃん！休憩行ってきていいよ」

本の品出しをしているとお昼になっていたらしく、休憩に行ってきていいと声をかけてくれたため、頭を下げて休憩の為に本屋の外に出る。

『(お昼ご飯…)』

しばらく考えた後、昼食はペンギンが働くレストランで食べようと、レストランの方へ向かって歩き始めた。

ペ「いらっしゃ…恋歌！」

お昼時ということもあり、忙しそうに動いているペンギンが恋歌が来たという事に気づくと、ぱっと笑顔になった。

ペ「悪いけど今混んでてさ…相席でもいいか？」

ペンギンの言葉に頷くと、席に案内される。