Love Loser 【江口拓也】 (ページ10)

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拓也 side

「ねぇ拓也……わたしがいちばんすきぃ？」

拓也「何いってんの麗華さん……そんなこと言わなくてもわかるでしょ？」

テーブルの下で手をぎゅっと握ればほら、さっきまでの不安そうな顔なんて晴れて、目をハートにして見つめてくる

俺に恋してる女の顔なんて、飽きるほど見てきた

麗華さんはいつも来てくれる大財閥の社長令嬢だし、所謂太客だからそう粗末な扱いはできない

……本当は俺、そのキツい香水の匂いも、クルクルに巻かれた髪も、語尾を伸ばすような甘ったるい声も苦手なんだよな

なんて言えるわけないけど、

取り敢えず高い酒でも入れてもらうかぁ

オネダリしちゃおうかな、とか思ってた矢先、奥のテーブルからシャンパンコールが聞こえてきた

拓也「……は、」

たくさんのホストに囲まれてマイクを手にしてるAちゃん

なにしてんだよ……

未成年だろ？いや、未成年をここに連れて来たのは俺だけど！

そういうことじゃなくて、そう…… 俺じゃなくて晋太郎さんに金を落としたってことは、俺よりも晋太郎さんの方が魅力的ってことだろ

あーーーもう、イライラする

なんで俺じゃねぇんだよ

気付いたら麗華さんを他所にAちゃんのところに向かっていた

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