Love Loser 【江口拓也】 (ページ6)

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拓也「今なんて？」

手持ち100万、を聞いて明らかに驚いて目を見開く拓也さん

目ん玉飛び出るぞおい

「だーかーらー、手持ち100万あるので大丈夫です、自分で払えます」

拓也「……まじかよ」

「まじです、なんなら足りなかったら卸せばいいし」

拓也「えぇぇぇぇ、Aちゃん何者？俺もしかしてやばい子に声掛けちゃった？どこかのお嬢様？？」

やっぱり分かってなかったんだ

慌てて饒舌になる拓也さんが面白くてまた笑ってしまう

「確かに世間的にいえばお嬢様なのかもしれないけどわたしのお金なので大丈夫ですよ」

そう言えば、ますます分からない、とでも言いたげな顔になる拓也さん

この人ほんと表情豊かだなぁ、思ってることが手に取るようにわかる

そんな拓也さんのために仕方なく、わたしの身辺について軽く話す

そう、さっきも言った通りわたしは日本を代表する月永財閥の次女

色々あって家出したのが3日前

このお金はついこの間まで家でも学校でも優等生として振る舞ってきたわたしがお年玉とかお小遣いとかを元金にして株で儲けたお金

……この家出のためにずっと、何年も貯めてきたものだ

両親や兄弟にはもちろん、誰にも話していない銀行の別口座で貯めてきていたし、だから家族にはバレない

丁寧に順を追って説明すると納得したような拓也さん

拓也「……俺、とんでもない子と出会っちゃったなあ」

「えへへ、普通の女子高生ですよ」

ボーイ「拓也さん！3番卓指名入りました」

拓也「分かったすぐ行く」

ボーイから指名の連絡を貰った拓也さんはごめんね行かなきゃと席を立つ

拓也「閉店まであと2時間くらいだし最後まで居てもらっていい？」

俺戻ってこれるかわかんないから、と付け足す

「分かりました、待ってます」

わたしがそう笑うと安心したように拓也さんは呼ばれたテーブルへと向かっていった

ボーイ「お客様、ご指名はお決まりになりましたか？」

あ、そうだ

指名できるんだった忘れてた忘れてた

そんなのもちろん決まってる

「晋太郎さんでお願いします！」

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