episode3 ページ3
教室の中は静まり返っていて、皆緊張しているというのが伝わってくる。
私と紫耀くんも自分の席につき、先生が来るのを待つ。
教室の扉ががらがらと開き、にこにこと笑みを浮かべながら男性教員が入ってきた。
左側にある笑窪が特徴的で、好印象を与える人だった。
「はい、1年B組の皆さん、おはようございます!
僕はB組の担任になる重岡大毅って言います!しげとかにこにこ天使ちゃんとか
好きなように呼んでなぁ〜!」
そう言ってにっと太陽のように明るい笑顔を浮かべてみせる重岡先生。
明るいし、優しそうな先生でよかった。
「えーっと、じゃあこの後の流れについて説明すんで。
今から入学式始まるから、何年何組誰々さんって言われたらでっかい声で返事してな?」
先生の言葉に、クラスメイトは息を揃えてはーいと返事をする。
教室から体育館へ入場し、入学式が始まる。
廉兄どこだろう、と3年生の席を探すと、眠たそうに欠伸をしている廉兄がいた。
「1年B組、大宮Aさん」
「はいっ!」
重岡先生に言われた通り、お腹から声を出して体育館中に響かせる。
廉兄は私の存在に気付いてくれて、小さく手を振ってくれた。
先生にバレないように手を振り返し、そっと腰をおろす。
その後の進行でも、廉兄から目を離すことができず、生徒会長からの歓迎の言葉、その他諸々の話は全て流れていった。
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作者名:も。 | 作成日時:2019年9月20日 0時