愛すべきマネージャー

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雑誌撮影が始まる。


この時間は忙しい中の癒し。

テレビや雑誌でしか見られなかった人が目の前に。


ファンの皆さんには申し訳ない…。


でも、近づけば近づくほどに欲が溢れていく。




最初は、見るだけで良かった。


だんだん、ライブで生で見たくなって…。


マネージャーになれば、見るだけで足りなくて。


挨拶を交わしたら、もっと話したいって。




なんて、欲張りなんだろう。




「……かっこいい…。」





ファンの頃は、『ガヤ』って呼んで、

テレビやライブで見る度に叫んでた。


綺麗な顔、醸し出される色気、少し天然。



全てが僕の心を掴んでいて…、

時々、見せる可愛い笑顔が大好きで…。


部屋の中は、藤ヶ谷さんのポスターで溢れてる。


皆さんには見せられない僕の顔。



僕は、ただのファンじゃない。

オタクを通り越して、腐女子ならぬ腐男子だ。



藤北の妄想だってたくさんした。


もちろん、僕が藤ヶ谷さんと恋人だったら…とか。



皆さんに内緒で、

雑誌撮影の時はスマホで写真も撮ってる。



皆さんにバレたら、

きっとマネージャーをやめさせられる。


僕の携帯と僕の部屋は皆さんに見せられない。


僕は欲張りだから、

皆さんに嫌われたくなくて、ずっと隠してる。

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