隣の温もりは今どこに 〜2×T〜

もうダメかも。 ページ5

受験まで日がない頃。


俺はひたすらノートに向かってた。



過去問を解き直して、

理解が出来てないところを復習して、

また解いて。


同じことの繰り返しに、

ストレスは増していくばかりだった。


学校に行くときは、

いつの間にか俺一人になっていた。








隣には、冷たい風が吹くだけ。

あの笑い声は、聞こえなかった。







もう、あいつとの関係は終わったと思った。

でも、




あいつは…、俺を見ていてくれてたんだな。






そんなことに、俺は気づきもしなかった。


自分を見失うほど勉強に狂ってた。





私立高校の結果が返ってきたときから、

クラスは半分に割れ始めた。




受かった奴等は余裕の笑みとやらを浮かべ、

必死にノートと睨み合う俺らを見てた。



私立に落っこったり、県立を受験する奴等は

私立に受かった奴等を、


心から嫌い、避けるようになった。




俺は後者だ。

私立に行く金なんてどこにもない。



俺も、

受かった奴等を睨むことしか出来なかった。





俺たちは必死に勉強してるんだよ。

先に受かったからって笑ってじゃねぇ。





俺の耳の聞こえる範囲では、

そんな悪口も聞こえた来た。






そんなときだった。









『裕太ー、順調？』









あいつだ。

俺のせいだ。→←出来ない言い訳。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す