隣の温もりは今どこに 〜2×T〜

大きく広がる空。 ページ19

「す、スポーツトレーナーっ？ですか？」


「そう。裕太って昔からおせっかいだし」


「…それ関係ないと思いますけど…」


「まあまあ(笑)てかそっちがメインじゃないよ？
前に俺が走ってるときに足捻って捻挫になったとき、
応急処置とか始めてたのに凄く良かったもん」


「あ、あれはその日に怪我の手当ての仕方とか
そういうことを勉強したからですよっ」





スポーツトレーナー。


考えたことなんか無かった。




俺にも将来の可能性があったなんて。





「そーだよ！スポーツトレーナー良いじゃん！」

高嗣にも高評価だ。


なんか嬉しいわ。



「あ、じゃあさ」


高嗣の顔が俺に近づいてくる。

きっと顔が赤くなってる。


ヤバイヤバイ…。

こんなときに限って凄く緊張してる…。




「俺が長距離の選手になれたらさ、裕太が俺の
体のケアとかしてよ。なんか響き良くない？」





…これって…。


俺が勝手に解釈しちゃうけど、

将来の約束…。


イコール、ずっと一緒にいようぜ宣言、だと！




「…お、おう！約束だな！」


「そうこなくっちゃ！」




俺たちは広いトラックの真ん中で叫んだ。



俺は高嗣のスポーツトレーナーに。


高嗣は長距離の選手に。





お互いに目標が定まった。









でも、

俺の気持ちはいつ届くのかな。

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