天使なバンパイア 〜F×T〜 番外編

6 〜T〜 ページ6

ホームルームが終わって、
席に着くと、宮田くん、千賀くん、二階堂くんがボクの周りに集まった。



…怖い。


一瞬そう思ってしまった。

人に囲まれるときは、必ずいじめられるとき。


バシャッてバケツの中の水をかけられたり。



汚いほうきやモップでバサバサ叩かれたり。



酷いときは木刀で殴られたっけ。


人に囲まれると、自然と身体が震える。
怖くて皆の顔が見れない…。


M「玉ちゃんは、どうしてこの高校に来たの？」


……っ…。

いきなりそんな事を聞かれるとは思ってなかった…。



T「…え、と……っ。」

言葉が詰まって、答えられない。


M「…あ、ごめんね…、聞かない方が良かった…？」



2「おい宮田〜、玉いじめんなよ〜！！」


違う…っ、宮田くんは悪くないのに…。


ボクが悪いのに……ッ。



そのあとの皆の話し声は耳に入らなくて。



あっという間に時間が過ぎて…。




まだ、人間に怯える自分がいて…。


まだ、人間を避ける自分がいて…。



どうしても震えは無くならなかった。



『……俺が守る…ッ。』





T「………ぇ。……」



脳裏から聞こえた言葉。


優しくて、落ち着くような低温の声。
でも、誰かは分からなかった。



……それは、貴方の声だった。

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