天使なバンパイア 〜F×T〜 番外編

19 〜T〜 ページ19

話はすっと傷痕の話題になり、


ボクは真実を口にした。

このまま隠し事をしたら、藤ヶ谷君に気持ち悪がられてしまうから。


…言っても、そうだと思うけどね…。



…でも、藤ヶ谷君は普通に受け止めていた。


なんか、へぇーって感じで。



両親の事も聞いてきて、ボクは話した。


その内、藤ヶ谷君の目がだんだん見開いていった。




……俺は、玉の兄だったのか、と。


貴方は言った。


でも、その後にこっと笑ってた。

何で笑っていられるの？


目の前に、バケモノの弟がいるのに？

どうして貴方は笑っているの？


不思議でしょうがなかったけれど。


藤ヶ谷君は、質問を続けてきた。



バンパイアは、不老不死と言われているけれど。



案外1000年も生きられはしない。

バンパイアは血を源に生きるから。


せいぜい、血を吸ってから100年が限界。


そう話すと、俺、その前に死んじゃうねって、




貴方はまた笑って言った。


…でも、嬉しかった。

人生をボクと共にしてくれるのかと。



勘違いでも、幸せに思えた。



…その後ボクは、藤ヶ谷君に、



自分の血を舐めさせた。

藤ヶ谷君が、俺もバンパイアになる、と言ったから。


戻れないよ？とは忠告したけれど、



藤ヶ谷君は、ボクの指に口づけた。


藤ヶ谷君の身体はどくんっと跳ね、



みるみるうちに、真逆の姿に変わり果てた。





貴方の事が、愛しすぎて、堪らない。

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