その無自覚、どないかならん？２【稲荷崎】

うちの子らがかわいすぎる ページ32

『おとーさーん！！』

双子「おかーーん！！」

美沙子「うるさいな！！そんな叫ばんでもきこえるわ！！」

一将「おーおー朝から元気やなあ」



翌日

準決勝が始まる時間から余裕をもって、双子とAはエントランスまでそれぞれ母と父を迎えにきていた



侑「なあおかん何で一日目も二日目も来んかったん！！」

美沙子「ゆーたやろ宿泊費もったいないて
予選は見に行ってたし引退試合でもないからええやろ別に」

治「つめたい母親やな」



文句は言いながらだがやはり双子も子どもなようで、美沙子が見にきてくれたことが嬉しいようだった



『お父さん寝癖ついてるでここ』

一将「え！ほんまに！？
急いで出てきたからなあ、こっち？」

『ちゃうよこっち！なおしたるわ！』



一方でAも、変わらずときどき抜けている父と触れあえて心底嬉しそうだった



一将「みんな準決勝進出おめでとうなあ
ほんまに嬉しいわ」

治「いや嬉しがるのはまだ早いで
まだ一将さんの前で勝つ姿見せれてないし」

侑「優勝するからちゃんとみとけよ！！」

一将「ふふ、楽しみやなあ」



一将にずいっと寄ってそう宣言する双子を、一将が嬉しそうにみる

「稲荷崎の応援席まではよ案内してや」という美沙子の声で、五人はそちらに歩き出した



ﾋﾟｰｰｰｰｰｰｰ！！！



準決勝、稲荷崎高校の公式練習終了の合図

同時に、相手校の公式練習が始まった

稲荷崎高校バレー部はそれぞれ早めに給水する



治「AA」



そんな中、また昨日のように治がぴょこぴょことAの方に寄ってきた



『え、今日も！？』

治「何ゆーてんねん今日こそやろ」

『いやまあせやけど…なに、気に入ってんの？』

治「うん、なんかパワーもらえる」

『ふ、ふーん…』



Aが照れくさそうに俯く

そして、まだかまだかと屈んで待つ治のおでこに、またキスをした

会場がまたどよめく



侑「A！！！！おれも！！！！」

『ううるさ
はいはい、ただいま』



侑のおでこにもキスをすると、さらに会場がどよめいた



一将「えっ！？ちょ、え！？
ちょっと美沙子さんみた！？今の！！
羨ましいんだけど！！！俺もされたい！！」

美沙子「ちょっと黙って今ビデオ撮るのに忙しい」



ふと、そんな双子とAに誰かが近づいてきた

何でそんな需要あるんですか！！→←侑にも

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