咲いたのは、 ページ14
『だめです…人多すぎて電波悪いみたいでなかなか繋がりません』
北「困ったな
だいぶ歩き回ったみたいやし、元の場所で合流できるとも到底思わん…」
河川敷の斜面に敷かれたブルーシートを尻に敷いて座る北とA
大門兄弟と別れた二人は、今度は新たな問題に直面していた
『まあ…端的にいうとそれって』
北「迷子やな」
『ですよねぇ…』
電話でコンタクトをとろうとするも、
人が多すぎて電波が悪い
それか、相手が着信に気づいていないのかもしれない
その証拠に、Aの携帯の着信履歴には双子の名前がこれでもかというほど連なっていた
『あの…北さん
さっきは動揺して…すんませんでした』
北「え、いや…ええよ、そんなん」
大門と話しているとき、片時も北にひっついて離れなかったことをAが謝ると、また沈黙が流れてしまった
『…あ、そういえば』
Aがﾊｯとして北に聞く
『何で北さん、急におらんくなった私と合流？っていうんやろか、できたんですか？』
北「あぁ、ちょうどお前がはぐれかけてんのが見えたんや
それで慌てて追いかけた」
『あぁ、なるほど』
北もAも気づかない
それは北が、Aをずっとみていたから見えたのだということに。
『あ！侑に繋がりました！』
北「え」
『あ、侑？ちょ、まってそんな叫んでも全然わからん！！ごめん、帰ったら謝るから！とりあえず合流を…！』
ﾄﾞｫｫｵｵﾝ…！！
その瞬間、一発目の花火があがった
『わ』
北「おぉ…」
綺麗に夜空に咲いたその花に、
北とAは感嘆の声をあげる
しかし、電話の向こう側の侑の声がそれを邪魔した
『え、ごめん、なんて！？侑！！
電波悪いし花火あがるしで全然聴こえへん___え』
Aが持っていた携帯を、するりと北が取り上げた
そして
北「侑、すまんな
花火終わってから神社の鳥居前で合流しよう」
とだけ言って、電話を切ってしまった
『あの、よかったんですか？
合流せんで』
北に携帯を返されたAが
戸惑いながら北に聞いた
北「…侑とは幼馴染なんやろ？」
『え？はい、まあ』
北「なら侑はこれから先いくらでもできるけど
俺は今年が最初で最後かもしらんから、許してや」
『…なにを、ですか？』
花火の音が、遠くで聴こえた
ただ北の声だけが、近くで聴こえた
北「マネージャーの、独り占め」
ﾄﾞｫｫｵｵﾝ…
北の後ろで、大きな花が輝いた
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街角のドーナツ屋(プロフ) - ひなたさん» ありがとうございます(*´∀｀*) (2020年3月22日 1時) (
レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - イラストはとてもお上手なので、事実です！2回褒めました！！笑笑 (2020年3月22日 1時) (レス) id: cc9cbc4c25 (このIDを非表示/違反報告)
街角のドーナツ屋(プロフ) - まっちゃあああさん» ありがとうございます！頑張ります〜！！ (2020年3月21日 23時) (レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃあああ - とても面白いです！更新頑張ってください！(о´∀`о) (2020年3月21日 22時) (レス) id: b96f43fad0 (このIDを非表示/違反報告)
街角のドーナツ屋(プロフ) - バカで変人な天才さん» ありがとうございます〜〜！！( *´艸｀)絵も誉めていただいてとってもうれしいです( 〃▽〃)がんばります！ (2020年3月21日 21時) (レス) id: 282020a4c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：街角のドーナツ屋
| 作成日時：2020年3月16日 23時
