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シガレット・キス　１　（教師×生徒） ページ5

「ねー城山、タバコってどんな味するの？」

「っ、はぁ⁉」

私の問いかけに、私の目の前の数学教師…城山はダン！と盛大な音を鳴らして机に頭を打ち付けた。


城山は地味な髪に地味眼鏡。せっかく身長が高く細身なのに、『チョークで汚れる』という理由で年中白衣なのでおしゃれもくそもない。
だけど教え方やリアクションは生徒に好評。

今のリアクションも生徒たちが沸き立つような満点回答。
だけど純粋な感想としては、



「うわ、痛そう…」

「だって、お前、急にタバコの事なんて聞くから…
　不良少女にでも転向する気か？」

「いや、そうじゃないけど…」



只今私は『補習』という名目のもと、数学教室で城山と向かい合いながら数学を教えてもらっている。

城山の教え方は分かりやすく、普通に集中して教わっていたのだが、あるものに気を取られてしまった。


ふと顔を寄せたときや隣に回り込んでくるとき、仄かに香る、タバコの香り。


そう、城山は生徒の殆どに知られるほどのヘビースモーカー。
そのことは知っていたし、大人だからと気にも留めなかったけど。

ふと香った瞬間、どうしても気になってしまったのだ。



私の回答にいくらか安堵した様子を見せながらも、城山は額を抑えながら少しずつ起き上がり、ため息。

「おどかすなよ全く…
　ガキはそんなことしらなくていーの。この問題自力で解けるようになってから言え。」

話題をそらすかのように指で問題集の問題をコツコツと叩く城山。
なんだか子ども扱いされているようで面白くない。






「そんなガキと付き合ってる城山先生はロリコンなんですかねぇ…。」






「おま、それは学校で言うんじゃねぇっての！」



そう、数学教師、城山蓮。


この人が私の彼氏だということは、誰も知らない秘密なのだ。

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