放課後の、その先で。 ４ （ラスト) ページ4
翌日…
「お、Aじゃん」
「城山…き、きのうはご馳走様…」
教室移動の廊下で、城山と出くわした。
なかなか部活以外で会うことがないのと、昨日のことを思い出して少し緊張してしまう。
「おう、今日も部活後、な？」
そんな私を気にするでもなく、シュートを打つポーズで放課後練を示唆する城山。
でも
「ごめん、今日委員会の方で部活にも顔出せないんだぁ…」
運が悪いことに、今日は委員会の仕事があり、そもそも部活を休まなくてはならなかった。
すると城山は少し面食らった顔をした後、きにすんな、と笑った。
「ならまた次頼むわ」
「今度はアイス、２本ともちょーだいね」
悪態を返し、手を振って別れると後ろから突然声が聞こえた。
「あの、城山先輩、今お話し聞こえちゃったんですけど…A先輩がだめなら、今日は私が練習付き合いましょうか？」
恵の声だ。
思わず気になって振り返ると、恵が城山に話しかけていた。
どうやら今の会話を聞いていたらしい。
「わたし、城山先輩と同じ方面ですし…もし、よかったらなんですけど…」
そういえば、前に恵から『城山が気になる』という話を聞いたことがある。
その時はたいして気にも留めていなかったし、城山も近いとはいえわざわざ反対方面の私を送るよりよっぽど都合がいいだろう。
そう思いながら足早にその場を立ち去る。
なぜか城山の返答を聞きたくなかったから。
なんで、こんなに胸がもやもやしてしまうのだろう…。
・
・
・
Aがその場から立ち去ったところで、俺は口を開いた。
「…せっかく言ってくれたとこ悪いけど、今日は１人でやるわ。」
「え…なんで…」
「夜遅くまで後輩付き合わせるわけにはいかないだろ？」
「っ、私はそんなの気にしません！
だし、城山先輩の家、○○商店の方ですよね？A先輩の家から30分以上かかるじゃないですか！なんでそんな…」
「…まぁ、たしかに帰るのは遅くなるけど。」
練習中、真剣な目で見てくるあの瞳を、
他愛もない会話でみせる飾らない笑顔を
少しの間だけでも独り占めしたかった。
そんな邪な思いから始めた練習だなんて今は口が裂けても言えないけれど。
「俺、あいつが見てくれてる時が一番頑張れるんだよ。」
いつかAには言えるだろうか。
放課後の、その先
２人だけの特別な練習で。
シガレット・キス １ （教師×生徒）→←放課後の、その先で。 ３
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トトトノト - すごい良い！めっちゃ好きですわ〜。続きを見たいです。あっ、勿論自分のペースでええけど...。 (2020年7月1日 22時) (
レス) id: 200aff7742 (このIDを非表示/違反報告)
瀬令瑠菜(プロフ) - 水渚桃華さん» ありがとうございます！イベント内の作品やイベ主様の作品もこれから拝見しますね！ (2020年5月24日 16時) (レス) id: 82a09a5d81 (このIDを非表示/違反報告)
水渚桃華 - 読ませていただきました。面白かったです。私が気に入った話は、生徒会長×後輩役員の話です。カッコ良い会長にときめいてしまいました！これからも見にきますので、更新頑張ってください。イベント参加有難うございます。 (2020年5月24日 15時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀬令瑠菜 | 作成日時：2020年5月23日 23時
