続 恋 人 勧 誘 されてます【呪術廻戦】

110話 「いつもの五条先生なら」 ページ16

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「恋人勧誘を終わりにするって話」


淡々といつもの調子で五条がその言葉を口にすると
透見はわざと大きな溜息を吐き、手招きをする
五条はそれに応じ、透見に目線を合わせるために
屈んだその瞬間＿＿＿＿



「えっ」


黒い目隠しを下へとずらされた

この透見の行動に五条は理解できない様子を見せるが
透見は何も言うことなく淡い緑みの青の瞳をただ
見つめていた






「それを言うのは、五条先生が、らしくもない
ことを考えてるからですよね」



五条が思っていたように透見は"分かっている"のだ


五条悟という男がどのような人間だということを


何が五条悟らしくないのかということも









「交流会に加えて今日のことがあって、私の側に
居なかったことや守れなかったことに対してらしく
なく気にしてるんですか？
いつもの五条先生は、私が無事なら別に良いって
そう思うんじゃないんですか」



Aが瀕死になったことがあるなら五条も
守ると決めた自分を責めるかもしれない


しかし実際Aは命の危機にさらされていない
いつもの五条は"Aが無事ならそれで良い"
つまり結果良ければ全てよしだと考える男だ


透見が五条らしくないと言ったから、
五条も自分らしくないということに気づけた





「確かに。実際交流会の時、僕が来た時にはAボロボロだったけど命に別状なかったから
"僕が早く来てたら"なんて思わなかったし」


「だからそういう人なんですよ五条先生は」


透見は目の前に広がっている横浜港を眺めながら
言った

そんな透見を五条は見ながら、何かを思うが
それをいま口に出すことはなかった


五条が透見に言ったのはこの一言だった




「ありがとうね、A」


「私は思ったことをそのまま言っただけです」

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