轟くんはビンタされても近づきたい【轟焦凍】 (ページ7)

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7話　放課後二人きりページ7

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放課後になった。

《話してくれ》と言ってきた割には特に轟くんから
話しかけてくることはなかった。

私も、特別轟くんと話すことはないから話しかけにもいかなかった。春以降一度も話したこともないのに、話しかけにくい。

別にクラスの皆とも特別話したりはしない。
誰かといると、益々劣等感に苛まれるからだ。

だから私は、寮生活なんてしたくなかった。
家に帰りたいって、何度思ったことか。

「今日は、筋トレにしよ」

先生に"個性"の使用許可と指導を頼むを忘れてしまっただけだけど。

こんな気持ちになっては駄目だ、捨てようという気持ちを込めて
両手で頬を強めに叩いた。

豆だらけになった叩いた手を何気なく見て、ぎゅっと拳を作った。

「筋トレすんのか？」

後ろから声をかけられて思わず肩が上がる。

この声は轟くんだ。
扉、いつ開いた…？

「そうだよ、だから今から寮に戻って部屋で筋トレするの」

「せっかく寮にいるんならTDL行って訓練した方がよくねぇか。
使用許可貰うの忘れたのか？」

「…うん」

間抜けだと思われただろうな。

「なら俺が貰ってきてやる。空いてる先生も多分いんだろ」

「いい！大丈夫！
私にとって筋トレはすごい必要な特訓だから！」

つい、大きな声を出してしまった。

怒ってると思われた…？

違う、そうじゃなくて。

「わりい、余計なこと言っちまったな。
その筋トレ、俺も付き合っていいか？場所は…部屋じゃ駄目だな。どっか…」

「それなら私が先生に使用許可もらってくるよ。」

「なら俺も一緒に行く。そしたらそのまま行けるだろ」

「あ、確かに。そうだね。」

当初の予定とは想定外の出来事がいま起こっていた。